鬼門とは

鬼門とは

鬼門とは鬼が出入りすると言われる北東(艮うしとら)の方位のことで、反対方向の裏鬼門と言われる南西(坤ひつじさる)と併せて、万事において忌むべき方角とされています。

鬼門の由来

鬼門の由来

中国の後漢時代の思想家である王充(おうじゅう)著の30巻から成る「論衡(ろんこう)」の第22巻「訂鬼篇」によると、山海経(せんがいきょう)からの引用として次の記述があります。

滄海(東の海)の中には度朔山(どさくさん)という山があって、山の上には大きな桃の木があり、その桃ノ木はとても大きくて三千里にもわたって曲がりくねっていて、枝の間の東北方を「鬼門」と言って萬鬼(ばんき)が出入りし、山の上には二神人がいて悪鬼は葦の縄で縛ってとらえ、虎の餌食とした。

時の皇帝は桃の木で作った人形を立てて、門戸には二神人と虎の絵を描いて祀り、葦の注連縄をかけて鬼の悪事を防いだのが鬼門を祀る由来になっているのです。

後漢時代は西暦25~220年で、我が国では後期弥生時代の頃になりますが、この頃には鬼門の概念があって神人と鬼を食べる虎を祀ることで鬼の侵入を防ぐことが行われていたようです。

我が国では平安京の鬼門の方向に天台宗比叡山延暦寺が置かれ、平安京を守る役割を果たしていましたが、そもそも天変地異や災難、災いなどは鬼の仕業であるという考えから、鬼を祀ったり防いだりする陰陽道の考えが国家の運営にも深く関わっていたことが、現在の私達の生活にも深く影響しているのです。

節分と鬼門

節分の豆撒きのイラスト

今私達が使っている暦は太陽の動きを基本としたグレゴリオ暦ですが、明治時代まで使われていた月の運行を基本とする旧暦(太陰太陽暦)では節分の頃が正月になり旧正月と言われています。

正月は新しい年を迎える時であり、季節的にも寒くて厳しい冬から暖かい春に変わる時なので疫病や自然災害などの災難が多く、平安時代にはこういった災難は鬼の仕業だということで恐れられ、鬼を追い払う行事としての節分が定着して今でも行われています。

家を守る鬼

鬼瓦

都会では屋根瓦と言うものを見かけることが少なく、化粧スレートと呼ばれる軽量の洋風瓦が主流になっていますが、屋根瓦が屋根の上に乗っている家は地方に行けば今でもよく見かけます。

屋根瓦には使われる部位によって形状が違い、一般的な部位の桟瓦(さんがわら)、角に使われる角瓦(かどがわら)、袖の部分に使われる袖瓦(そでがわら)などの名称があり、屋根の一番高い所の両端に使われている瓦を鬼瓦と言い、鬼の顔をしています。

鬼瓦は農家や旧家などの大きな家で使われていますが、何故悪事を働く鬼を屋根の一番高い所に乗せているのでしょうか。

それは鬼瓦の鬼は嫌われ者の鬼ではなくて、魔除け、そして家を守る役目を果たしているからなのです。

節分と鬼門

節分とは各季節の始まりの日である立春、立夏、立秋、立冬の前日のことで、季節を分ける日を意味し、この日には魔が入りやすいことから節分には豆撒きなどの魔除けの行事を行います。

節分は炒った豆を「鬼は外福は内」と言いながら豆撒きをする行事です。

悪い鬼を家から追い出して福を呼び込むための掛け声が「鬼は外福は内」なのですが「鬼は内福は内」と言う地域もあり、鬼が悪い鬼ばかりではないのです。

秋田県男鹿の重要無形民俗文化財である「なまはげ」も神様に姿を変えた鬼であり、毘沙門天が足元に踏む邪鬼も毘沙門天の使いとしての鬼なのです。

毘沙門天と鬼門

毘沙門天の守護

鬼門除けの「鬼」とは家を守る鬼であり、屋根瓦の上に乗っている鬼のことです。

鬼は怖い顔をして外に対して睨みを利かせ、外敵が侵入しないように守っているのです。

その鬼が通る門のことを鬼門と言い、表の鬼門と裏の鬼門を出入りするのですから、綺麗にしておくのは当たり前のことで、水回りやトイレが無いことが理想で、神様専用の出入り口ですから、人が出入りする玄関が無い方が良いのです。

邪鬼

毘沙門天邪鬼も毘沙門天に教化されて使いとなった鬼ですから、実は家を守る鬼なのです。

ということは毘沙門天の御札を鬼門に貼っておけばよいということになります。

鬼門と裏鬼門

鬼の通り道である鬼門は家の北東で裏鬼門は家の南西の場所になり、昔から不浄を避けて清潔にするように気を付けて、家を建てる時には玄関やトイレや水回りの設備を避けるようにと言われています。

鬼門と裏鬼門のタブー

陰陽道や家相の世界では家の鬼門と裏鬼門から鬼が出入りするとされ、様々な決まりごとがあります。

その決まり事とは

  • 台所を設置しない
  • 風呂を設置しない
  • トイレを設置しない
  • 玄関を作らない
  • 物を置かない
  • 常に清潔にする
  • 神仏の御札を祀る
  • 盛り塩を置く
  • 窓を開けっぱなしにしない
  • ヒイラギ、南天などの魔除けになるものを植える

などで、基本的な考え方としては鬼の通り道になるので常に清潔にしておき、物を置いたり濡らしたりしないことを志し、人が通る通路は設けないことです。

艮(うしとら)と坤(ひつじさる)の方向は経験上湿気が多かったり、西日が当たって食べ物が傷みやすかったりすることから言われていることでもあるのです。

しかし土地の都合上でどうしても鬼門や裏鬼門が玄関になったりトイレを設置しなければいけないような時には鬼門除けの御札をお祀りすることをおすすめいたします。

タブーを破ると

鬼門、裏鬼門は鬼の通り道だから水回り、トイレ、台所、玄関などはダメだと言われ、限られた土地の中で家を作ってみたら何とも住みにくい家になってしまった…このようなことでは意味がありません。

一昔前までは家を建てる時には設計図を寺社に持って行って祈願してもらい、鬼門などに問題が無いかを確認した上で地鎮祭や上棟式などで拝んでもらうことで工事の安全や家の繁栄などを願っていたのです。

しかし今の時代に都会で暮らすには細々と入り組んだ道路を基準にして狭い土地を有効に使う家造りが求められ、鬼門、裏鬼門など気にしていたら家が建たないのです。

土地の都合上、北方や東北の玄関、トイレ、風呂など仕方ないような家はたくさんあるのです。

昔は艮、坤(うしとら)坤(ひつじさる)のタブーを気にする人が多く、家に不幸や病気が続いたり、家人が続けて亡くなるようなことがあれば家相が悪い、墓相が悪いと言われたものでした。

艮に風呂があるから鬱病になった、坤にトイレがあるから怪我が多いなどの迷信は昔からいくらでもあるのですが、不幸の原因があるとしたら、それが何であるのかは誰もが知りたいところです。

私達の周りには災難が多いもので、やっぱり昔から言われていることは本当にあるのだろうかと思うのは自然な成り行きなのです。

しかしもう既に住んでいる家の配置を変えろと言われても、そう簡単に出来ることではありません。

不幸の原因というものが分からないが故に、人は皆あれこれと回り道をしてしまうのです。

家相が気になる時

家族に病人が出たけれど、鬼門にトイレがあるからなのだろうか?

裏鬼門で作業中に怪我をしたのは神様の祟りなのだろうか?

鬼門に玄関があるから子供が出来ないのだろうか?

どうしても気になる時には「鬼門除け」の御札をお祀りしましょう。

鬼門除けの御札

鬼門除けの御札

鬼門除けとは鬼門と裏鬼門の場所にお祀りして神仏の加護により守ってもらう御札のことです。

やすらか庵では毘沙門天の鬼門除けの御札がありますので、鬼門と裏鬼門に貼っておくだけで魔を除けて災難を防ぎ、清浄な雰囲気を保つことが出来ます。

毘沙門天信仰は魔を寄せ付けず家を守り家族が和合する信仰であり、毘沙門天は強い神ですから、御札を貼っておくだけで安心出来るのです。

艮と坤にトイレ、水回りなどがある場合には、入り口に貼っておきます。

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