毘沙門天-勝負必勝

毘沙門天は勝負必勝の神として有名です。身に甲冑を付け、火焔を伴い、いかつい顔をして戦う姿がまさに戦う神なのです。

古くは聖徳太子が物部守屋追討の折に、四天王に戦勝を祈願して、後に四天王寺を建立し、毘沙門天を祀るために信貴山を創設したことや、上杉謙信が勝負必勝を祈願して毘沙門天を祀ったことなどで、いかに勝負の神として崇められていたかが分かります。

しかし毘沙門天は仏教の四天王の中にも位置することから、最終的な目標は悟りであり、他を傷つけることではないはずでありますが、私達凡夫はいきなり悟りの世界に向かうのは無理なことで、日常の出来事の中で人と関わりながら少しずつ悟りに向かうことしか出来ません。その日常生活の中で起こる様々な出来事に対して少しでも悟りに近づく方法で解決を示し、私達の身近な所で活躍しているのが毘沙門天なのです。

毘沙門天の勝負必勝は相手を滅ぼしてしまうことではありません、相手と共に生きる勝負必勝なのです。相手を滅ぼしてしまっても、恨みが恨みを生む連鎖は止まらず、皆が滅びてしまうからです。本当の敵は自らの心の中にあり、心の中の悪魔と戦うことが真の勝負必勝なのです。

毘沙門天は鎧兜に身を固めてはいますが、相手を殺傷する道具は持っていません、相手を救済するために戦っているのです。

やすらか庵に菊の花が咲いていました、種をまいたり苗を植えた訳ではありませんが、雑草のように咲いていました。売り物の花のように綺麗ではありませんが、命の鼓動が聞こえます。