50回忌法要とは

法事の祭壇のイラスト

50回忌とは故人の命日から49年めの法事のことで、一昔前までは50回忌が弔い上げと言って最後の法事でしたが、最近では33回忌で終わることが多いようです。

50回忌の由来

3と7の数字が付く年に行われる回忌法要の中でも50回忌は特異な存在となり、それは人の死後50年経てば家の守り神になるという古来からの信仰があるからです。

そして50年間守り神としての役目を終えたらまた次にその家に生まれ変わってくるか、生まれてくるタイミングを待つと言われているのです。

弔い上げについて

法事というものは、亡き人の供養のためと施主及び参加する人の功徳のために行うもので、亡き人の法事をいつまでするかについては諸説あり、一般人の場合では50回忌や百回忌ということもありますが、有名人や土地の有志の場合には2百回忌や3百回忌ということもあり、一種の記念祭的な要素も含まれるようになります。

亡き人の供養という意味での弔い上げは現代では33回忌です。

仏教ではない

50回忌になれば家の守り神になるということはもはや仏教ではありませんし、輪廻転生という観点からすればもっと早くに生まれ変わっていて、しかも六道の中で何に生まれ変わってくるかはその人の生前の行い次第なのです。

場合によっては地獄に堕ちるかもしれないですし、餓鬼動物に生まれ変わることもあるのです。

50回忌に家の守り身になることは、、私達の祖先が受け継いだ宗教観と道教、儒教などの影響を受けた死生観が反映されていますので、祖霊供養という方が正しいかと思います。

祖霊信仰として

祖霊は50年か100年で先祖神になるか、生まれ変わってくるという信仰があり、亡くなった人の魂がまたその家に生まれ変わってくるという実に素朴な信仰がある訳で、そういった価値観を親族と共有することで家と家族を大切にしようという家族愛が深まるのです。

近年では葬送の簡略化という流れが進んでいまして、33回忌で法事を終わることが多いようです。しかし、50回忌で終わりということが通例でありました。法事というものは本来、純粋な仏教行事ではありません生まれてきて良かった、生きてて良かったと感謝するためにも50回忌の法要は価値があると思います。

感謝すべきは四恩

また弘法大師空海は感謝すべき対象として四恩を説き、四恩とは父母、国王、衆生三宝(仏法僧)のことで、父母の恩に感謝することは仏門に入ったものが守るべきことであります。

私達は今生きているという命の大切さに気が付いた時に感謝することを仏教行事として徳を積むということで行うことが出来るのは、とても有難いことです。

徳は積んでも積まなくてもどちらでも構いませんが、もし役に立つとしたら死後に役に立つのですから、今それをするかどうかは、自分にとって今何が大切かということにも関わってくるのです。

50回忌はするべきか

現代社会においては法事としての弔い上げは33回忌という事が多く、33回忌にしても短くなる傾向があるようです。

50回忌は故人のことを知らない人ばかりになりがちですが、家の守り神になったと喜ぶ法事でもあるのです。

家がそれだけ続いて、繁栄しているということは喜ぶべきことなのですが、都会暮らしの方は家を守り続けるというより、一代限りという感覚が強く、ましてや親族との交流も無いことが多いので、50回忌なんてしないという方ばかりになってしまいます。

50回忌はしてもしなくても故人の行き先に変化はないでしょうけれど、もし自分の体の中に亡き人たちの魂の声が聞こえるとか、何かしないといけないということを敏感に感じるような方は是非とも行いましょう。

供養とか功徳とかを積み上げても生きている時には見えませんが、死後の世界にまで持って行けるのは功徳しかありまし、お金ではありませんので、功徳の大切さが分かる人なら供養が大切なことに気が付くはずで御座います。


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