十戒とは

十戒のイラスト

十戒とは仏教に於いて見習いの僧である沙弥(しゃみ)、沙弥尼(しゃみに)が守るべき10の戒めのこと。

十戒の特徴

十戒は五戒八斎戒に別の項目を追加して十の戒にしています。

不淫戒

十戒の特徴は五戒や八斎戒の「不邪淫戒」が「不淫戒」になっていることで、仏教では一度出家して戒名または僧名を名乗り、仏弟子になったら戒律を守って修行三昧の送りますので、男女の接触などは無しということなのです。

男女の関係は煩悩でありますので、煩悩を断ち切らないと悟りの世界を目指すことが出来ないのです。

悟り境地に達すれば天から甘露が降り注ぎ、至上の至福感に満たされることを思えば男女の快楽など足元にも及ばず、この世に於ける最高の快楽を持ってきても、悟りの境地と比べたらただ虚しいだけなのです。

出家するということはそういうことであり、大いなる幸せに向かって旅立つということなのです。

飾らない、遊ばない

仏教集団の中では未成年の修行者である沙弥、沙弥尼にとっては若くて遊びたい盛りなので、化粧をしたり装飾類を身に付けない、歌や音楽、踊りを鑑賞しないなどの項目が入っていることが特徴です。

沙弥の十戒とは

仏教に於ける見習い僧が守るべき沙弥の十戒について説明します

  1. 不殺生(ふせっしょう)…生き物を殺さない
  2. 不盗(ふとう)…盗まない
  3. 不婬(ふいん)…性交渉をしない
  4. 不妄語(ふもうご)…嘘をつかない
  5. 不飲酒(ふおんじゅ)…酒を飲まない
  6. 不著香華鬘不香塗身(ふじゃくこうげまんふこうずしん)…化粧をしたり装飾類を身に付けない
  7. 不歌舞倡妓不往観聴(ふかぶしょうぎふおうかんちょう)…歌や音楽、踊りを鑑賞しない
  8. 不坐高広大床(ふざこうこうだいしょう)…大きく立派なベッドに寝ない
  9. 不非時食(ふひじじき)…正午以降に食べ物を摂らない
  10. 不捉持生像金銀宝物(ふそくじしょうぞうこんごんほうもつ)…お金や金銀・宝石類などの資産を所有しない

出家者としての基本

受戒、授戒とは

見習い僧が守るべき戒であっても十戒を守っているだけで、僧としての威厳を保つことが出来る戒であります。

僧は自分の物を持たないこと、戒を守った正しい生活を送ること、正しい修行を行うことが基本です。

僧はたとえ欲望が生じることがあっても、集団の生活の中で他の正しい生活を続けている他の僧の姿を見て自らを深く反省し、戒を守ることが自然体で出来るようになっていくことで修行の段階が上がっていくのです。