大きい位牌と小さい位牌
位牌は大きい方が良いのでしょうか、小さい方が良いのでしょうか、今ある位牌の大きさを小さくしても構いませんか?
位牌の大きさとは
位牌の大きさを表すのには我が国で使われていた旧来の尺貫法による「寸」で表され、1寸は約3cmの長さになりますので、3寸と言えば約9cmの長さということになります。
但し位牌で3寸と言う時の3寸とは位牌の戒名が彫られた札の部分の長さのことであり、全体の長さではありません。
実際には3寸の位牌の全体の長さは約15cmです。
但し標準的な位牌である「蓮華付春日」の位牌の場合であり、多重構造になって装飾の多い位牌では全体の長さがもっと長くなる傾向があります。
位牌の寸法
位牌の大きさは「〇寸」という表示になり、1寸は約3cmです。実際の位牌の寸法の表を作りましたので参考にしてください。厳密に言いますと少し違いますが、大体の目安になります。
蓮華付位牌の形でしたら、塗りの位牌も黒檀、紫檀もほぼ寸法は同じです(大体の目安です)。
位牌の大きさの決め方
実際に位牌を作る時には、どれくらいの大きさにしたら良いのか迷ってしまいますが、判断の基準になるのは仏壇の大きさであり、一般的には大きい仏壇の時には位牌も大きくなり、小さい仏壇の時には位牌も小さくなります。
バランスということが大切な事で、大きい仏壇に小さい位牌を置いたり、或いは小さい仏壇に大きな位牌を置くと、とてもバランスが悪くて不自然に見えてしまいます。
最近ではマンション向けの小さいサイズの仏壇が人気であり、昔ながらの大きいサイズの仏壇はあまり見られなくなってしまいましたが、小さいサイズの仏壇に置く位牌は3寸程度の位牌で充分なのです。
位牌のサイズ変更
位牌のサイズ変更には今までの位牌よりも大きくする場合と、小さくする場合があります。
位牌のサイズを大きくする時には大きい仏壇に買い替えたとか、サイズのことを知らずに作った位牌が小さすぎたなどの理由によります。
位牌のサイズを小さくする時には小さい仏壇に買い替えたとか、サイズのことを知らずに作った位牌が大きすぎたなどの理由によります。
位牌を作り直す時には今までの位牌を閉眼供養して新しく出来た位牌を開眼供養する必要があります。
位牌のサイズを小さくすること
一昔前まではどの家にも競うように大きな仏壇があり、位牌も大きなものが好まれていました。今でも地方に行きますと旧家と言われるお家には大きな仏壇の中に大きな位牌が並んでいるものです。
都会で暮らす方にとっては大きな仏壇を置くようなスペースが無く、近年では団地サイズと言われる小さな仏壇が主流になっていて、位牌もそれに合わせるように小さい位牌が主流になっています。
昔は家柄を表すとも言われた大きな仏壇や位牌ですが、都会ではそのような必要性も無く、ましてや後継者の居ないような家庭にとっては大きな仏壇など必要ありません。
故郷の家を片付けて仏壇の中の位牌だけはもって来たけれど、あまりにも大きいような場合や、小さな仏壇に買い替えたけれど位牌が大きすぎるなどの場合には小さい位牌に作り替えることをおすすめいたします。
大きい位牌が立派であり小さい位牌が粗末ということは絶対にありません。
仏教には大小で優劣を競うような考えはありません。
一昔前までは大きな位牌を作り続けて、ある時突然小さくしたりすると亡き人が苦しむようなことは決してありません、今まで欠かさずに礼拝していたことを突然止めてしまう方が苦しいことなのです。