恵心僧都源信とは

恵心僧都源信のイラスト

源信は平安時代中期の天台宗の僧で、浄土真宗では七高祖の第六祖とされ、浄土宗に多大な影響を与え、恵心僧都、源信和尚、源信大師とも呼ばれます。

源信の生い立ち

念仏来迎のイラスト

天慶5年(941)大和国(現在の奈良県)当麻郷で生まれ、9歳の時に信仰心の篤い母の影響で比叡山中興の祖と言われる良源の元に入門して止観業、遮那業を学びました。

幼少より才能を発揮した源信は15歳で村上天皇によって法華八講の講師の一人に選ばれるなど優秀であったが、母に諫められたことにより世の栄誉を避けて横川の恵心院に隠棲して念仏三昧の日々を送りました。

寛和元年(985)3月には「往生要集」を著して地獄から極楽浄土までの世界を詳細に表し、迷いの世界から脱して浄土の世界を目指すには阿弥陀如来にすがり、念仏を唱えるしかないことを説いた後世に残る代表作です。

念仏と著述の日々を送りながらの一生を終えたのは寛仁元年(1017)6月10日のことで、自らの信仰に基づいて阿弥陀如来の手に結び付けた糸を手にして念仏合掌しながら入滅しました。

往生要集とは

源信が恵心院に隠棲して念仏三昧の日々を送りながらも多くの仏教の経典や論書などを参考に、極楽往生に関する部位を集めた著作としての往生要集は、死後に極楽往生するためには一心に仏を思いながら念仏するしかないことを説く浄土教の基本となる名著で、1部3巻から成ります。

巻上

  • 大文第一 厭離穢土…地獄餓鬼畜生阿修羅人間天人六道の様子
  • 大文第二 欣求浄土…極楽浄土に生れる十楽とは
  • 大文第三 極楽証拠…極楽往生の証拠について
  • 大文第四 正修念仏…浄土往生の道を明らかにする

巻中

  • 大文第五 助念方法…念仏修行の方法
  • 大文第六 別時念仏…臨終の念仏について

巻下

  • 大文第七 念仏利益…念仏による功徳とは
  • 大文第八 念仏証拠…念仏による善業とは
  • 大文第九 往生諸行…念仏の包容性
  • 大文第十 問答料簡…何よりも勝れているのが念仏である