五智如来とは

五智如来とは密教の悟りの智慧である五つの智慧を「五智」(法界体性智・大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智)と言い、その智慧を五つの如来にあてはめたもので、五大如来とも言い、金剛界五仏のことです。

密教の悟りの世界に至るには五つの智慧が必要であり、大日如来は全ての智慧を持つ如来とされます。

法界体性智とは大日如来の智慧のことで、真理の世界の本性を明らかにする智慧は、宇宙の自然界の現象が、そのまま如来の意思と姿であることを示しています。

大円鏡智とは阿閦如来の智慧のことで、鏡に映るように全てものを、そっくりそのまま映している智慧のことです。

平等性智とは宝生如来の智慧のことで、全てのものが平等であると見通すことのできる智慧のことです。

妙観察智とは阿弥陀如来のことで、皆違った特徴・個性があると見通す智慧のことです。

成所作智とは不空成就如来のことで、なすべき事を成し遂げる智慧のことです。

密教では人間の意識を九段階のステージに分けて、下から順に上がっていき、最高到達点へと目指していきます。

人間の持つ六つの意識である六識の中で、六番目の意識を除く、眼識(げんしき)、耳識(にしき)、鼻識(びしき)、舌識(ぜっしき)、身識(しんしき)の五つの識のこと。

感覚や感情などの作用をする意識のことで、五識と言います。

人間の持つ六つの意識である六識の中で、六番目にあたり、私達が考えたり行動したりする源である心に相当する自覚的な思考のこと。

末那識とは自覚されない意識のことで、下意識、深層意識のこと。

執着の原因となる意識です。

瞑想の領域に入れば到達する意識で、前世の記憶まで含まれる根源的な無意識のこと。

密教の到達点となる意識のことで、即身成仏の境地に至ることが出来ます。

金剛界曼荼羅の秘密

金剛界曼荼羅には悟りに至る智慧が図式的に描かれています。