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智慧とは
智慧とは物事の道理や善悪を正しく見極めるための心の働きで、仏としての心の作用のこと。
知恵と智慧
人が成長するにつれ様々な経験を積み重ねていけば、それらの経験は蓄積されてだんだんと賢くなり、新しいことに対して柔軟に対応していけるようになってきます。
生きていく上で、経験からくる道筋の蓄積のことを知恵と言います。
それに対して仏教では私達が輪廻転生の輪から抜け出して悟りに向かうのに必要なこととして、世の中の道理を正しく理解して見極めることを「智慧」と言って「知恵」とは区別しています。
智慧波羅蜜
大乗仏教に於ける菩薩が仏になるため六つの修行法として「六波羅蜜」があり、六波羅蜜は「布施波羅蜜」「持戒波羅蜜」「忍辱波羅蜜」「精進波羅蜜」「禅定波羅蜜」「智慧波羅蜜」のことですが、最後の「智慧波羅蜜」は「般若波羅蜜」とも言われて、全ての事物や道理を見抜く深い智慧のことです。
悟りとはこの世の全ての事象の道理や善悪、大宇宙の法則などが真実の姿として理解できた状態のことです。
物事を正しく観ることが出来ますので、主観というものがなく、過去も未来も分かってしまうのです。
何時の時代にでも、何処の場所であっても間違いのない法則を体得した者が仏になるのです。
般若の智慧
般若とはサンスクリット語ではprajñā(プラジュニャー)、パーリ語ではpaññā(パンニャー)で、真実を見抜く深い智慧のことです。
仏の智慧は経験で得られる知恵や学んで得られる知識でもなく、真実そのものであることから、仏教の修行の最終段階でようやく出現するものです。
如来の智慧は過去現在未来などの時間と空間を超えた世界の真実の姿を全て見通すことが出来るのです。
私達が如来の智慧を身に付けるためには仏教の勉強や修行が大切ですが、仏教はあまりにも置くが深すぎで何をしたら良いのかすら分かりません。
そういう時には利他行の実践が一番です。
利他行とは自分のためではなくて、他のために尽くすことで、如来と言われる方々は全て自分のことなど一切することはなく、他のために尽くすことばかりをしているのです。
他のためとは困った方の救済や悩み苦しみを取り除くことです。
智慧を深める修行法
智慧を深めるためには心を清めることと、欲望に振り回されないことが大切で、正しい智慧は静まり返った心から湧き出てくるものなのです。
簡単に出来る修行がたくさんあります。
般若心経を唱えよう
般若心経とは正式には「般若波羅蜜多心経」と言い、梵名はPrajñā-pāramitā-hṛdaya、 プラジュニャーパーラミター・フリダヤで、大乗仏教の根幹をなす経典であり、仏教の諸宗派でよく唱えられる経典です。
玄奘三蔵が中国からインドに求道の旅をして持ち帰った多数の経典の中の一部で、わが国で最も普及した経典の一つです。
般若心経を唱えれば
- 智慧を得ることが出来ます
- 正しい判断が出来るようになる
- 悪いものが憑かない
などの素晴らしい効果があります。
般若心経の写経をしよう
写経とは仏教の経典を書き写すことで、今の時代のようにコピー機や印刷機が無かった時代には、自ら学んだり仏法を広めていくためには、経典を書き写すことが大切な修行でした。
このサイトでは写経のお手本A4用紙版が無料でダウンロードできます。
勤行をする
真言宗の勤行は毎日続ける読経供養の修行で、自らの修行のため、或いは他を利するため、或いは亡き人の供養のためなどの目的を持って行います。
唱えると共に自らの行いを反省し、正しい方向に向かうための礎として心に刻みます。
光明真言を唱える
光明真言は23の梵字からなる真言で、真言宗や天台宗で法事や法要の時によく唱えられていて、在家の方でも日常的によく唱えるとても役に立つお経(真言)です。