高野山金剛峰寺とは

高野山金剛峰寺

金剛峯寺とは和歌山県伊都郡高野町高野山にある高野山真言宗の総本山の寺院のこと。

開創について

弘法大師空海

弘法大師空海が嵯峨天皇から高野山の地を賜ったのは弘仁7年(816)のことで、以後は真言密教の聖地として堂々伽藍が整備され、近年はユネスコの世界遺産に登録されたこともあって、歴史と伝統ある山上の宗教都市として世界中からの参拝者が訪れるようになりました。

明治時代以前は高野山全体が境内地と見做されて、金剛峯寺と言えば高野山全体を指していましたが、今では総本山としての一つの寺院の名称になっています。

金剛峯寺建立修行縁起

金剛峯寺縁起のイラスト

弘法大師空海が弘仁7年(816)に嵯峨天皇から高野山の地を賜った話とは別に、平安時代中期成立の「金剛峯寺建立修行縁起」には高野山としての縁起が書かれています。

空海が大和国宇智郡(現在の奈良県五條市)で修行に適した場所を探していたところ、白と黒の二匹の犬を連れた狩人(狩場明神)と出会い、狩人にそのことを話すと狩人は二匹の犬を放って、それに付いていくように言われて付いて山中に分け入りました。

狩場明神

やがて紀伊国天野(現在のかつらぎ町)で丹生(にう)明神が現れたので空海は土地使用の許しを請い、伽藍を建立することになったのです。

高野山御社のイラスト

今でも高野山の伽藍では狩場明神(高野明神)と丹生明神が祀られていて、四度加行の参拝行の時に参拝することになっています。

金剛峯寺のご案内

高野山金剛峯寺の写真

金剛峯寺は空海が経典「金剛峯楼閣一切瑜伽瑜経」の深意に基づいて名付けられた名称です。

主殿は文久3年(1863)再建された東西 54 m 南北 63 m の書院造建築。

屋根は檜皮葺で屋根の上には雨水を貯める大きな木の桶である天水桶が設置されていて、境内で火災が発生した時には屋根の上に水を撒いて延焼を食い止める働きがあります。

主殿の拝観

諸堂内拝共通券

拝観料は500円、中は広くて廊下沿いに歩いていき、多くの僧侶が一堂に生活していた様子を窺うことが出来ます。

2,000円で買えるお得な諸堂共通内拝券が利用できます。

1枚2,000円で有効期限は2日間、下記施設にて利用可能です。
①金剛峰寺
②高野山霊宝館
③大師教会本部→「受戒」か「写経」のどちらかで利用できます。
④大塔
⑤金堂
⑥徳川家霊台
⑦奥の院
最後奥の院にて記念品の授与していただけます。
高野山観光協会の各案内所で購入可能

主殿の文化財

  • 大広間…重要な法事・儀式が行われる間、狩野元信作と伝わる松、群鶴の襖絵
  • 梅の間…狩野探幽作と伝わる梅月流水の襖絵
  • 柳の間…文禄4年(1595)に豊臣秀次が自刃した「秀次自刃の間」。山本深斉の四季の柳の襖絵
  • 書院上段の間…天皇・上皇が参詣した際の応接間。壁は総金箔押し、天井は折上式格天井の書院造り
  • 稚児の間…天皇・上皇に随行した護衛が待機した部屋。狩野探斎作と伝わる襖絵
  • 奥書院…皇族方の休憩所。雲谷等益、雲谷等爾作と伝わる襖絵
  • 囲炉裏の間…部屋の中に囲炉裏があり、空海自筆と伝わる愛染明王が祀られる
  • 台所…江戸期以降、大勢の僧侶の食事を作った場所で、約2000人分の米を炊く