お陰、お蔭とは

御蔭のイラスト

「お陰」とは他人から受けた親切や力添えによって物事がうまくいったことで、神仏からの加護を受けて物事がうまくいった時は「お蔭」という字を使います。

「陰」と「蔭」の違い

「陰」は常用漢字でかげ、日の当たらない場所のことで、「蔭」は常用漢字ではありませんが人名漢字で意味は同じですが、草が覆って日が当たらない様子を示しています。

「おかげさまで」の「かげ」は元々「蔭」で草冠があったのですが、常用漢字から外されたので同じ意味を持つ「蔭」が当てられたのです。

太陽と陰

太陽と陰のイラスト

神様が太陽で陽の光を私達に無償で与えて下さったために昼の世界に活動することが出来て、自然が豊かになり、作物が実り、体が健康でいることが出来るのです。

こういった恩恵は全て神様の加護があるからであり、陽が当たった結果として出来た陰のことを「お蔭」と言うのです。

陰が出来るのは陽が当たるからであり、陽があたらなければ陰も出来ないのですから、神様の「お蔭」というのは神様が私達の世界を照らしてくれたことを言うのです。

神様の加護

大日如来の加護

神様は太陽のような存在であり、私達に対して明るい光と温かさを無償で平等に与えて下さっていますが、どんなに素晴らしいことで有意義なことであっても、案外私達は感謝することを忘れてしまいがちです。

人によっては太陽は私達を照らして当たり前だと思うでしょうし、感謝する必要など無いと思っている人も居ることでしょう。

しかしそんな人が居たにしても太陽は、文句も言わずに毎日平等に照らして下さっているのですから、神様の心というものは果てしなく広くて明るくて暖かいのですし、神様の無償の心を知った人は与えることの素晴らしさに気が付くのです。

太陽の神としての表れは大日如来でもあるのです。

大日如来の加護を得るには大日如来の真言光明真言などが効果があります。

お蔭参りとは

お蔭参りのイラスト

お蔭参りとは江戸時代に流行った伊勢神宮への集団参拝の事で、数百万人規模の参拝がおかげ年と言われる60年周期で3回起こり、奉公人が主人に無断で、或いは子が親に無断で出かけたことから「抜け参り」とも言われました。

お蔭参りには神様から受けたお蔭に感謝してのお礼参りという意味合いがあり、参拝に向かう人に対して接待することもまた良い行いであるとされたために、参拝に向かう人と支援する人が増えることで大きな社会現象になったのです。

しかしながら今の時代は神仏の加護に感謝してお参りすることは、「お礼参り」という言葉の方が知られているかもしれません。

お蔭様

お蔭様のイラスト

太陽は照らして下さっているのに、感謝してもしなくても、照らして下さることに変化はありません。

感謝しなくても照らしてくれているのなら、感謝しなくても良いのかもしれません。

しかし私達は感謝することによって神様に少しでも近づき、神様の気持ちが少しでも分かるようになれば、如何に私達が横着で怠慢であるかを思い知らされるのです。

神仏やご先祖様は私達が何もしなくても起こる程ケチではありませんが、それでも守って下さっているのですから、感謝の気持ちを手向けてお礼を言えばもっと守って下さるのです。

神仏やご先祖の加護は無くても生きていくことが出来ますが、より良く生きていくためには是非とも必要な力なのです。

「お陰様で有難う御座います」の心を忘れないようにしたいもので御座います。