六地蔵とは

六地蔵のイラスト

六地蔵とは六体の地蔵が六道のそれぞれの入り口を守るという信仰。

六道について

六道の転生

私達の魂は六道と言われる地獄餓鬼畜生阿修羅人間天界の六つの世界を生まれ変わり死に変わりしているとされ、生まれ変わり先での行いの罪の大小によって生まれ変わり先が決まるとされていますが、最も罪の重い者が行くという一番下の世界が地獄であり、最も苦しみの多い世界で、一番上の世界である天界では苦しみがほとんど無いにしても、天界を去る時の苦しみがあるそうです。

チベットの死者の書では私達が死を迎えてから四十九日までの間に生まれ変わると説き、その間に悟りのチャンスもあれば、地獄から天界までの世界の入り口のビジョンが出てくるとされますが、六道の世界は苦しみの世界なので、六道の入り口に入っていかないようにと説いているのです。

地蔵菩薩の役割

地蔵菩薩の役目のイラスト

地蔵菩薩はサンスクリット語では「クシティガルバ」(क्षितिघर्भ [Kṣitigarbha])と言い、クシティが「大地」、ガルバが「胎内」、或いは「子宮」の意味であることから、大地の子宮、ありとあらゆる生命が還る所であり、生まれる所でもあるのです。

生命の蔵である地蔵菩薩は生命の生まれ変わり死に変わりの場所である六道の入口に立ち、救済の役目を果たすとと共に、菩薩でありながら僧の姿で果てしない巡業の度を続けているのです。

六道と地蔵菩薩

賽の河原-お地蔵様

地蔵菩薩は六道の入り口に居て、特に三悪趣と言われる地獄、餓鬼、畜生の世界に堕ちないように見守っているのです。

地獄の世界の守護

日光地蔵菩薩のイラスト

地獄の世界の入り口に居る宝珠と錫杖を持った地蔵菩薩は大定智悲(だいじょうちひ)地蔵と言い、日光地蔵菩薩とも言います。

餓鬼の世界の守護

除蓋障菩薩のイラスト

餓鬼の世界の入り口に居る与願印をして宝珠を持った地蔵菩薩は大徳清浄(だいとくせいじょう)地蔵と言い、持地(じじ)地蔵菩薩とも言います。

畜生の世界の守護

持地地蔵菩薩のイラスト

畜生(動物)の世界の入り口に居る旗または如意を持った地蔵菩薩は大光明(だいこうみょう)地蔵と言い、徐蓋障(じょがいしょう)地蔵菩薩とも言います。

阿修羅の世界の守護

宝印地蔵菩薩のイラスト

阿修羅の世界の入り口に居る合掌したまたは梵篋(ぼんきょう)=経典のこと=を持った地蔵菩薩は清浄無垢(せいじょうむく)地蔵と言い、宝印(ほういん)地蔵菩薩とも言います。

人間の世界の守護

宝珠地蔵菩薩のイラスト

人間界の世界の入り口に居る施無畏印または数珠を持った地蔵菩薩は大清浄(だいせいじょう)地蔵と言い、宝珠(ほうじゅ)地蔵菩薩とも言います。

天界の世界の守護

檀陀地蔵菩薩のイラスト

天界の世界の入り口に居る柄香炉または経典を持った地蔵菩薩は大堅固(だいけんご)地蔵と言い、檀陀(だんだ)地蔵菩薩とも言います。