落慶法要とは
落慶法要とは寺院の建物を新しく建築したり改修したことを祝うための法要のこと。
五色の幕を張り、屋根から降ろした五色の紐は触れると幸せになると言われています。
落について
「落」には「落ちる」という意味の他に「新しく出来上がる」という意味があり建物が出来上がることを「落成」と言い、建物が出来上がったことを喜ぶことが「落慶」です。
仏法興隆
仏法は悩み苦しむ衆生を救済し、迷いの世界に正しい智慧を示し、闇の世界に光明を灯します。
寺院は誰でも自由に立ち入り出来る仏門であり、仏法を説く場所であり、仏法が広がっていくための重要な拠点となる場所ですから、仏法を説く寺院が新しく出来ることは世の中が平和になるためには大変に喜ばしいことなのです。
落慶法要の時期
寺院の建物は百年以上の耐久性があるように作られることが多いので、特に本堂などは頻繁に建て替えるようなことはありませんから、落慶法要自体はとても珍しい法要なのです。
檀家さんの法事、葬式によるお布施で成り立っているような寺院は、本堂の建て替えの費用は檀家さんの寄付金によって賄われます。
寄付金の額を決めて強制的に徴収するような場合には、額が多ければ多いほど金銭的なトラブルが多くなります。
信者さんの祈願などで成り立っている寺院は寄付金や瓦の奉納などで賄われます。
落慶法要は建築物が全て出来上がってから行われますが、寄付をしてくれた人に対するお礼の法要でもあり、貢献度の高い人に対して表彰したりします。
開催する日取りは皆が集まりやすいように土日、祝日の大安日が選ばれることが多く、御本尊様の縁日に合わせることもあります。
落慶法要の内容
とにかくお目出度い日なので、近隣の寺院からも僧侶を多く呼んで法要を行い、子供に色鮮やかな天童の衣服を着せて練り歩く「稚児行列」(ちごぎょうれつ)や僧侶による雅楽、散華など華やかな内容が盛りだくさんで祝います。
本堂の落慶法要などでは本山からの使者や近隣寺院の住職、地元の有志、檀家総代などによる祝辞、多大な貢献をした人に対する感謝状と記念品、檀信徒への御礼などが続き、法要の内容が終わったら参列者に記念品を渡し、最後に食事を振る舞います。
仏教行事に触れてみよう
仏教の行事には伝統的な行事が多く、数百年或いは千年以上前の法要がそのままの形で伝承されていることもあり、ある意味昔の時代にタイムスリップしたような感覚が味わえます。
今の時代のようにスマホや電気、電子機器などが一切無かった時代にも、御目出度いことは多くの人を呼んで祝い、幸福の御裾分けをしていたのです。
寺院が新たに建立されるという仏法に於いては最大の功徳を皆に配るのが落慶法要です。
近隣で開催されるようなことがありましたら、是非参加してみて下さい。