三宝荒神とは

三宝荒神のイラスト

三宝荒神とは仏法僧の三宝を守り、不浄を許さぬ神で、火を扱うかまどの神と言われ、台所の守護神として祀られることが多い。

三宝荒神の由来

役行者が金剛山で祈祷していた時に艮の方角に赤い雲がたなびいて荒神が現れたので、その場所に荒神を祀ったという伝承があります。

我が国には古来より悪さばかりする荒ぶる神が居て皆を困らせていたのですが、神として丁重に祀ったら良く守ってくれるようになったという話があって、三宝荒神も元は荒ぶる神でありながら、今では案外庶民の味方として篤く信仰されているのです。

しかしながら元々性格が荒々しいので、扱いが悪かったり、気に入らないことがあればとても恐い神なのです。

三宝荒神の姿

三宝荒神は三面六臂または八面六臂の姿で、八面六臂の時には三つの顔のそれぞれに五つの顔が乗っていて、忿怒の姿で髪の毛を逆立てて目を吊り上げていますが、密教明王に似た一面があります。

手には五鈷杵、五鈷鈴、如意宝珠、宝塔などを持ちます。

三宝荒神には三宝荒神、如来荒神、子島荒神の形態があり、如来荒神は温厚柔和な姿、子島荒神は人の姿をしています。

三方荒神の真言

三宝荒神の真言は

オン ケンバヤ ケンバヤ ソワカ

般若心経を唱えた後に三宝荒神の真言を7回唱えれば良いでしょう。

三宝荒神の功徳

三宝荒神はかまどの神で、昔は薪を使って火を焚いて調理していたのですから、火の粉が飛んだり火の不始末などで特に台所は火事の多い場所でした。

また台所は食事を調理する所ですから、家族の健康や長寿などに影響を及ぼす大切な場所でもあるのです。

そういった台所で火を焚くことは火の神を扱うことになりますので、火の神を祀ることによって家と家族を守ってもらうというのが荒神信仰なのです。

しかし近年の台所には薪を焚くようなかまどがなく、電化が進む台所では火を使うようなことがありませんので、火の神の出番がありませんが、三宝荒神は火の神と言うよりは、むしろ台所の神としての地位を確立していますので、台所には専用の神棚を置いて三宝荒神を祀ることにより、家全体の繁栄や無事を願うのです。