烏枢沙摩明王とは

烏枢沙摩明王のイラスト

烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)は「烏枢瑟摩」「烏蒭沙摩」「烏瑟娑摩」「烏枢沙摩」などと表記され、真言宗天台宗禅宗、日蓮宗などで信仰され、トイレの神様として有名で、台密(天台密教)では五大明王の一尊です。

烏枢沙摩明王の由来

烏枢沙摩明王はサンスクリット語でウッチュシュマ(Ucchuṣma)或いはアグニと呼ばれた古代インドの炎の神であり、炎で不浄を焼き尽くして清浄にすることから、仏教に採り入れられた後も「不浄潔金剛」や「火頭金剛」などと呼ばれて世の中の全ての穢れや悪を焼き尽くす明王として信仰されています。

トイレの神様

厠のイラスト

我が国の家屋には昔から多くの神様を祀る習慣があり、災難を防ぎ安全であるようにとの願いを込めて、台所に荒神、水回りに水神などの神が祀られています。

厠(かわや)と呼ばれていたトイレは昔からどの家にも必ずある設備ですが、家の中でも特に不浄の場所であり、ハエやウジの住処になり易く、伝染病が広がる原因になることもあるので、特に清潔を心掛ける必要のある場所です。

そこで烏枢沙摩明王をトイレの守護神として祀ることにより、不浄を焼き尽くして清浄なる空間にしてもらうのです。

不浄である場所に神様を祀って、くれぐれも神様に失礼の無いようにしようと思ったら、トイレを徹底的に綺麗にするしかありません。

トイレの神様に快適に過ごして頂くために綺麗にしておけば、結果として自分達も快適に使うことができるのです。

トイレを守ってくれる神様には常に感謝の気持ちで、快適に過ごして頂けるように致しましょう。

烏枢沙摩明王の姿

烏枢沙摩明王のイラスト

烏枢沙摩明王は一面に3眼、一面四臂(顔が一つで手が四本)或いは一面六臂、三面八臂などの姿で剣、索、棒、杵、輪宝、三鈷杵五鈷杵、弓矢などを持っていることがあります。

髪は火炎の勢いによって大きく逆立ち、顔は憤怒相、黒青色の身体で右足を大きく上げて片足で立っている姿であることが多いです。

烏枢沙摩明王の真言

烏枢沙摩明王の真言は

  • オン シュリ マリ ママリ マリシュシュリ ソワカ
  • オン クロダノウ ウンジャク
  • オン クロダノウ ウンジャク ソワカ

私共が唱える時には「オン クロダノウ ウンジャク」もしくは「オン クロダノウ ウンジャク ソワカ」を使います。

烏枢沙摩明王の功徳

一般的に烏枢沙摩明王はトイレに御札を貼ってお祀りします。

良く目につく場所で、可能ならば窓がある方に向けて貼ります。

烏枢沙摩明王はトイレの神ですから下半身の病気に効果があると言われています。

平安時代には胎内の女児を男児に変える力を持っていると言われ、後継者の男児を求めた公家の間で熱烈な信仰を得ました。

お産の時に魔物が入らないようにと烏枢沙摩明王を御本尊にして護摩を焚いていたそうです。

烏枢沙摩明王はトイレを綺麗にしてくれる神様ではありません、トイレは自分で綺麗に掃除しましょう。

烏枢沙摩明王が快適に居ることが出来れば家は繁盛します。