白装束と死装束
白装束とは全身白ずくめの衣服のことで、白い色は身を清めて魔を寄せ付けない意味があり、神官、巫女、修験者などが身に付けます。
死装束は死者に着せるための白い着物のことで経帷子(きょうかたびら)とも言います。
白装束と巡礼
四国の八十八箇所霊場巡りでは弘法大師空海にゆかりのある寺院を巡礼しますが、その時の衣服は白装束で、自らの修行として歩いて回るのが古来より伝わる方法です。
滝に打たれる滝行の時も白装束ですが、「白色」には身を清めるというお清めの意味と穢れの無いという意味がありますし、服としての装飾が一切なく、おしゃれをしたいとか、どこかに出かけたい、遊びたいなどの煩悩を消し去る役目は大きいと思います。
実際に白装束を着けてみると、身も心も気持ちが引き締まることが分かります。
また四国の巡礼の場合には一人で歩くのではなくて、お大師様と共に歩く「同行二人」という考えが古くからあり、仏道の修行として取り組むための気持ちを切り替える目的もあると思います。
経帷子として
経帷子(きょうかたびら)とは経文が書かれた白装束のことで、最初から書かれている場合と、白装束を買って巡礼する度に一つずつ御朱印を押してもらう場合があります。
死者に着せる白装束のことを経帷子と言う事もあります。
最初は白装束だったものが巡礼を終えて御朱印がびっしりと書かれた経帷子になると、たくさんの思い出が詰まった宝物になります。
死装束として
仏教では死者に着せる衣服として死装束があり、悪霊がとり憑かないようにという目的と、死後の旅立ちという目的のために着せています。
仏教では亡くなった時こそが煩悩の全くない状態であり、出家して仏弟子になる良い機会だと考えて、得度・受戒をさせて戒名を与え仏道を歩むために白装束を着せるのです。
巡礼の白装束の処分
故人の遺品整理の時に見つかった巡礼用品で捨てても構わない物は
で消耗品の類ですが、出来ることなら白い紙に包むなどの配慮が必要です。
巡礼の白装束のお焚き上げ
かなり使い古した白装束などは故人が苦労して巡礼したことを思えば捨てがたいものです。
おそらくたくさんの思い出が詰まっていることでしょうから、可能であればお焚き上げ供養を利用して故人の元に思い出を届けて差し上げれば喜んで下さり、良い供養になると思います。