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瞑想とは
瞑想とは心を静めて一点に集中すること、或いは無心になることで、私達の心は常にたくさんの情報で満たされて大切な事を失いがちですが、心を空にすれば今まで見えなかったことが見えてくるようになります。
私達の心の中
私達の脳には常に外界からの刺激によって様々な情報が入ってくることにより、それらの情報によって心は喜んだり悲しんだりを繰り返しています。
私達の心と体は常に欲望に支配され、煩悩からくる怒りや貪り、恨み、妬みなどの感情が次々と湧き起こることで揺れ動き、嵐の海のような状態では正しい判断が出来なくなってしまうのです。
正しく物事を観るには、心の中は波風の無い湖のような状態である必要があるのです。
瞑想が必要な理由
瞑想の歴史は古く、宗教の世界でも瞑想法は大切な修行法とされ、悟りや神仏との合一などの真実の世界とつながるための修行法でもあります。
瞑想には様々な効果が認められることから、医学の分野や企業会社の生産性の向上などにも利用されています。
集中力の向上
近年では会社や企業のセミナーとして採用されている瞑想法は、集中力を向上させる効果が知られていて、生産性の向上や企業の業績アップに大いに貢献しているそうです。
集中力が向上することにより、失敗することも少なくなり、効率的な作業が可能になり、品質が向上し、残業時間が減るなどの好影響は最終的に会社の業績の向上と従業員の給与の向上など多方面に及びます。
正しい判断
瞑想では日常の様々な情報から離れて静寂な世界に入っていきますので、固有の価値観や執着から離れた正しい判断が出来るようになります。
善悪の判断や、正しいか嘘かなどの判断が瞬時に出来るようになります。
ストレスの緩和
私達が仕事や家庭で抱え込むストレスは、対人関係の摩擦や気遣いのし過ぎ、過労などからくるもので、どんどん溜まるばかりではけ口が無ければ精神的にそして肉体的にも病んでしまいます。
瞑想をすることにより、そういった日常のストレスから解放されて、ストレスをため込まないようになってきます。
睡眠の質の向上
瞑想は脳と心を休ませてリラックスさせますので、瞑想を続けていくうちに睡眠の質まで良くなっていきます。
瞑想に入れば、入眠時に必要な副交感神経が優位になってリラックス状態になりますので、不眠症の人や寝つきの悪い人でも瞑想が出来るようになれば、自分の意志で眠りにつくことが出来るようになるのです。
気分の向上
私達人間にとって何をするにしても失敗はつきものです。
失敗した時には気分が落ち込むものですが、今の自分に何が足りなかったのか、これからどうすれば良いのかなどのことを観察していけば正しい方向が見えてきます。
瞑想を続けることによって正しい判断が出来るようになり、物事に対して前向きになってくると共に、失敗しても立ち直りが早くなります。
穏やかになる
心の中にある怒りや妬み、恨みなどの感情を排除していくと、争いや戦いを好まなくなり、穏やかな人間になります。
平和を愛し、自分の利益よりも相手の利益を思うようになり、嘘をつかなくなりますので、穏やかな人間になれば多くの人に信頼されるようになるのです。
瞑想してみよう
瞑想は呼吸法から入っていき、脳にリラックス状態を作っていきますので、呼吸法を覚えることが大切です。
瞑想の準備
瞑想するのはなるべく散らかっていない片付けられた騒音の少ない静かな部屋を使い、少し灯りを落として目の前にはなるべく物を置かないようにします。
瞑想には決まった形はありません、楽に出来ることが大切ですから、椅子に座っていても構いません。
畳に上に胡坐をかくか、正座もしくは結跏趺坐(けっかふざ)にて座り、合掌した後にそのまま合掌を続けても良いですし、手は膝の上に置くか弥陀定印、法界定印などの印を組みます。
いろんなポーズを試してみて、楽に出来る方法で構いません。
結跏趺坐は慣れないと出来ない座り方ですし、体の硬い人には出来ないかもしれませんが、ヨガはハタヨガのようにいろんなポーズをすることで体の緊張をほぐして調えるヨガもありますので、心と体のバランスを保つためにも少しずつ練習する価値はあります。
結跏趺坐は出来るようになれば体の形を保つのに適していることが分かります。
瞑想の呼吸法
瞑想の準備が出来たら呼吸法を始めます。
呼吸というものは生きていく上で体の中に酸素を取り込むために絶対に必要なことですから誰でも無意識にしていて、寝ている時でも止まることの無い生命維持に不可欠の機能です。
生命維持に不可欠の呼吸は、全く意識しなくても無意識のうちに行われている機能ですが、自分で意識してコントロールすることも出来る機能であることが大きな特徴です。
呼吸は細胞が生きていくのに必要な酸素を取り込んで不要になった二酸化炭素を排出しているだけではありません、もう一つの大きな目的として宇宙に偏在しているエネルギーを取り込んでいるのです。
呼吸を通して宇宙のエネルギーを意図的に取り込むのが瞑想における呼吸法なのです。
瞑想の呼吸法の基本は
- 10秒ぐらいかけて口から息をゆっくりと全部吐き切ります
- 10秒ぐらいかけて鼻から息をゆっくり吸い込みます
- 10秒ぐらい息を止めます
1~3の呼吸を10回ほど繰り返しますが、大切なことは1つ1つの呼吸を意識して、他のことは意識せずに呼吸だけに意識を持って行くことです。
10回ほど繰り返したらあとは、ゆっくりした呼吸を続けながら「何も考えない」「頭を空っぽにする」ことをするだけです。
何か考え事が出てきても気にすることなく、通り過ぎるのを待ちます。
瞑想している時にはとにかく余計なものを捨てることで、持っている常識や知識などの一切を捨て去るのです。
いつまでもダラダラとするのではなくて、10分程度の時間を決めてアラームを鳴らし、少しずつ意識を戻してから、最後に合掌して終わります。
時間が少ないと思ったら少しずつ増やしていきます。
呼吸のコツ
1.で10秒ぐらいかけて口から息をゆっくりと全部吐き切る時には、これ以上出せないというまで出し切ります。
2.で10秒ぐらいかけてゆっくりと鼻から息をゆっくりと吸い込む時には、これ以上吸えないというまで吸い込みます。
2.で10秒ぐらいかけてゆっくりと鼻から息をゆっくりと吸い込んだら、お尻の穴をぎゅっと閉じてエネルギーを上に引き上げるようにします。
息を吐くのは鼻からでも構いません。
観想について
瞑想は心の中を空にする方法ですが、体の中や外にイメージを作り出してそのイメージに集中し、操る方法を観想と言います。
先ほどの呼吸法が何も考えることなく上手く出来るようになってから挑戦してみて下さい。
1.で10秒ぐらいかけて口から息をゆっくりと全部吐き切る時には、体の中に溜まった煙のような黒い毒素を外に吐き出すイメージを観想します。
2.で10秒ぐらいかけてゆっくりと鼻から息をゆっくりと吸い込む時には、外にある光り輝くエネルギーの粒を吸い込んで体の中に入れ、お腹の丹田の位置に溜めるイメージを観想します。
2.で10秒ぐらいかけてゆっくりと鼻から息をゆっくりと吸い込んで、お尻の穴をぎゅっと閉じたら丹田の所に力を入れてそこから出ている光が四方八方に飛び出してくるイメージを観想します。
丹田の位置はおへその少し下の位置になります。
印について
印については外界とのエネルギーの交流をする時の大切なツールになり、一本一本の指に与えられた意味がありますので、密教では師僧からしか伝授されないものとされますが、ヨガの世界ではある程度の印は定番の印として「ムドラー」と呼ばれ、親指と人差し指を丸めて付けて、後の三本の指を伸ばすチンムドラーなどは良く使われています。
心を空にすることを楽しむ瞑想でしたら印にこだわる必要はありません。
法界定印
おなかの前で左の手のひらを右の手のひらの上にのせ、親指同士を軽くつけて楕円をつくる形をしていて、慈悲の心を表します。
弥陀定印
阿弥陀如来が組んでいる印で、左手の上に右手を重ね、両手の親指と人差し指を合わせて輪を作ります。
ヨガの瞑想でよく使われるチンムドラーは弥陀定印をそのまま引き抜いて膝の上にのせたものになります。