お墓参りとは
お墓参りとはお墓に行って亡き人や先祖に対して花、線香、ロウソク、水、供物などを手向けて亡き人を想い、祈りを捧げること。
お墓参りの由来
平安時代に出来た「餓鬼草紙」では打ち捨てられた遺体や棺桶のまま放置された遺体に動物や餓鬼が群がる様子が描かれていますが、お墓として埋葬された場所も見られ、更には供養されたような形跡があることから、これは身分による違いであって、たとえ墓場は同じでも身分の高い人は埋葬されて墓を作ることが出来て、更には供養塔などの建造物もあったことが分かります。
このような場所にお墓参りに行くのはさすがに怖いことだと思いますが、当然お墓を作る時でも同じような状況があったでしょうから、墓場というものはこういうものだったのでしょう。
本来のお墓参り
今でも地方に行けば残っている山の上のお墓は本来あるべき姿を残しているお墓と言えます。
集落で暮らす人達にとって山は先祖が眠る場所、そして天から降りてくる場所であり、お墓から子孫達の繁栄と幸福を願いながら護るという役目を果たしているのです。
自分達も死んだらやがてはあの山の上のお墓で先祖と一緒になれると信じて暮らしているのです。
ですから細くて険しい道で登るのが大変であっても先祖に感謝の気持ちを手向けるためにお墓参りをして、山の上から自分達の暮らしている場所を見下ろすことによって先祖と同じ気持ちになることが出来るのです。
現代のお墓参り
都会では自分の家とお墓が随分と離れていることが多く、電車やバス、自家用車で出かける方が意外と多く、お盆やお彼岸にはお墓参りの交通渋滞が起こっています。
お墓参りは家族の誰かが代表して行くものではなくて、家族揃って行くのですから、行事としては優先度が高く、少し離れた場所にあるお墓参りのために家族揃って車で出かけることは、お盆や彼岸などの恒例行事であり、行楽も兼ねた国民的なレジャーでもあるのです。
現代のお墓参りは、先祖に会いに行くというレジャーかもしれません。
お墓参りの作法
お墓参りの基本はお墓を掃除して供物をあげ祈りを手向けて片付けすることです。
寺院のお墓参りの時にはまず最初にお寺の本堂にお参りし、お墓参りはその次です。
お墓の掃除
お墓の入り口で水を汲み、お墓に行ったらまずは古いお花を捨てて水を取り替え、線香皿も綺麗にし、ゴミが落ちていたら綺麗に掃除して墓石は汚れていたら水で洗い流してから乾いた布で拭けば綺麗になります。
仏教の修行の基本は掃除に始まり、掃除で終わります。
お墓のゴミを拾い墓石を磨くことは私達の心の垢を落とし、心を磨き上げることと同じことだと思い、良い修行をさせて頂いて有難う御座いますの気持ちで行いましょう。
御供え物
掃除が済んだらお墓にお花、線香、水、お酒、御供え物などの御供え物をします。
売っている花は長めになっていますのでハサミでちょうどよい長さに切りそろえ、1対になっていますので、左右を対称にそろえるのが綺麗に見えるコツです。
花は荘厳と言いまして仏の世界を美しく飾り付けするものですから、自分達の方に向くように飾り付けします。
御供え物は半紙や紙を下に敷いてからその上に載せるのが正しい方法です。
線香は火を付けて線香皿に寝かせます。
お墓用の線香はあまり香りは良くありませんが煙だけはたくさん出るようになっていて、これは私達の功徳が天に届くようにとの思いが込められています。
合掌礼拝
御先祖様との静かな礼拝の時間です。
合掌して礼拝します。
これまでに起こった日常の変化や家族の様子の報告をして、日頃から護って頂いていることへの感謝のことばを述べます。
お墓参りの時にはあまり願い事はしないものです、なるべく感謝の言葉を述べましょう。
読経が出来る人は仏前勤行をしましょう。
真言宗の勤行ならこのホームページに記載していますので無料でダウンロード出来ます。
他の宗派の方が唱えても構いませんし、般若心経や光明真言は特におすすめです。
片付け
お墓参りが済んだら最後に御供え物は下げて火の用心を確認し、綺麗に片付けてからお墓を後にします。
お墓に入る時と出る時は合掌礼拝しましょう。