招き猫とは
幸運や金運をもたらす縁起物として江戸時代後期から庶民の間に広がっていったネコの置物で、手を挙げて幸せを招いている姿をしたもの。
招き猫の御利益
招き猫には右手を挙げたネコと左手を挙げたネコがあり、右手を挙げたネコは金運を招くとされ、左手を挙げたネコは商売での客を招くとされています。
猫は古来より人と関わりの深い動物であり、人に慣れやすい動物であったこと、そして養蚕に於ける蚕や穀物の貯蔵庫での穀物を食い荒らすネズミを駆除する有益で身近な動物として大切にされてきました。
招き猫の発祥
東京都世田谷区の東急世田谷線では招き猫が車両全体に描かれ、車内には招き猫の形をしたつり革が下がっていますが、世田谷の豪徳寺が招き猫の発祥の地と言われていることによります。
江戸時代に彦根藩藩主の井伊直孝(1602-1659)が鷹狩の帰りに弘徳庵という寺の前を通りかかった時に、和尚の飼い猫が手招きするような仕草をしていたために寺に立ち寄って休息したところ、天候が急変して雷雨になったので、雨に濡れることが無かったことを喜んだ直孝は弘徳庵に多額の寄進をして井伊家の菩提寺となり豪徳寺と呼ばれるようになったそうです。
その手招きした猫が招き猫の発祥とする説の他に多くの招き猫に関する伝承が各地に伝わっています。
招き猫の飾り方
招き猫は神様ではありません、縁起物ですのでお祀りするというより飾るものです。
もちろん神棚に飾っても構いませんが、狐様のように神様のお使いではありませんので御給仕する必要はありません。
人とお金を招くという御利益から客商売をしているお店の店先やレジ横などてよく見かけますが、なるべくよく目立つ所に飾るのが良いそうです。
招き猫の種類は実にたくさんあって、物珍しさと縁起の良さからお土産や新築祝いなどで頂くこともあり、インテリアとしてもふさわしいことから、家の中や外の何処の場所に飾っても構いません。
招き猫が不要になったら
招き猫は陶器製が多いことから倒して割ってしまうようなことがありますが、縁起物だけに割れるということは不吉で縁起が悪いと思われがちです。
遺品整理での家の片付けや引っ越しなどで不要になってしまったら、どうすれば良いのでしょうか。
招き猫の処分
招き猫は魂の入った神様ではありませんので不要になったら陶器の場合でしたら不燃ごみとして処分して構いません。
紙やプラスチック製の時には各自治体の指定に従って処分して下さい。
縁起物でから気になるという方は軽く塩を振って合掌礼拝の上で処分しましょう。
招き猫のお焚き上げ
大切な人からの頂き物だから捨てる訳にはいかない、御祝い品として頂いたのに割ってしまった、などで捨てる訳にはいかない時にはお焚き上げ供養を利用すれば粗末になることなく、お気持ちを無駄にすることもありません。
やすらか庵では陶器や金属、石、ガラスなどの縁起物もお焚き上げとして受付しております。
お焚き上げとして送って頂いた供養品は毎日読経供養し、お焚き上げ当日には実際のお焚き上げの火に入れると危険ですので入れませんが、読経供養の上でお焚き上げの火にかざした上で一つ一つ丁寧に処分しております。
丁寧に供養するという事が最も大切なことだと思っております。