商売繁盛とは
商売繁盛とは商いが順調で賑わい栄え、利益が上がることで、商売繁昌とも書きます。
繁盛とは
繁盛とは大いに賑わい栄えることで、「繁」は馬のたてがみにたくさん付ける飾りのことで、植物がよく茂る様のことでもあり、「盛」は高く積み上げる、さかんにする、栄えるという意味があります。
「千客万来」で述べましたが、商売の基本はたくさんのお客で賑わうことですから、繁盛にしても同じ意味がありますが、繁盛には物が増えていったり、建物が増え、立派になっていくような意味合いもあります。
繁盛するには
商売をしている以上、赤字続きでは経営も成り立ちませんし、生活も出来なくなってしまいます。
しかし商売の仕方というものは、その人の人間性が如実に出てくるので、経営方針、運営方針が良いか悪いかで決まるようなものです。
またその時に関わっている人の良し悪しや、協力者の有無、店ならば立地条件、周囲の環境なども関係しているのです。
商売が繁盛するにはこういった条件が揃っていることが大切ですが、良い条件が揃っていてもうまくいかない時もあるのです。
商売繁盛の秘訣
昔から物事が上手くいく条件として「天の時、地の利、人の和」の三つの条件が言われています。
「天の時、地の利、人の和」は中国の戦国時代の思想家である孟子が残した有名な言葉です。
天の時
天の時とは、物事が熟する時、世の中から受け入れられる時のことで、需要と供給の関係で言えば、今まさに必要な商品がちょうど良いタイミングで発売されると、皆が欲しがって爆発的に売れるのです。
ヒット商品と言われる商品は、今まで無かった物がまさに世の中の時流に乗って多くの人が欲しがり、買い求めるのです。
逆にこれは良いと思って発売した商品が全く売れないのは、自分だけが良いと思っていても、誰も欲しがらない商品なのですが、時期をずらして後になって販売したら結構売れたということもあるのは、天の時を見る目が間違っていたということなのです。
地の利
何処にお店を出すかということはチェーン店などは人の流れや車の通る台数、近隣店舗の運営状況、近隣住民の家族構成などを細かに調査した上で決定されるのですが、そういったことに慣れていない人が開店準備をする時には中々良い条件が見つからないこともあり、開店を急ぐあまり中途半端な物件で開店した結果として人が通り過ぎるばかりである、客が全く来ないということになるのは、地の利が悪かったことにもよります。
人の和
商売をしていく上で人は財産であり、運営での良き協力者が居れば繁盛し、良き協力者が居なければ衰退してしまいます。
従業員やアルバイト、パートにしても然り、皆が一丸となって売り上げに協力してくれたら繁栄するのです。
商売の世界では周囲の人間は皆敵であるというのが常識であり、確かに誰かお金儲けしている人が居たらすぐ真似をする人数出てきますし、邪魔をしたり騙そうとしたりする人ばかりが目に付くものです。
人が良さそうな人に限って裏切られたり騙されたりすることが多い世の中で、本当に信頼出来る人、裏切ることの無い人は財産であるとして大切にすべきです。
最も大切な事
商売をしていく上で最も大切なことは「お客様は神様」であることを悟ることです。
客が人だと思えば、嫌な客なら来なくて良い、良い客だけ来れば良いという考えになりますが、神様が来たとしたら、大切におもてなししないと商売がダメになってしまうかもしれません。
神が人の縁を授けるのですから、人が来るも来ないも神様次第なのです。
お客様も神様ですし、神様も信じて商売繁盛を願えば必ず叶えて下さいます。
物やサービスの売り買いということではなくて、商売を通して人様に喜んで頂くことこそ、商売繁盛の秘訣です。
人に喜んでもらい奉仕することは利他行であり、仏の慈悲の心にも通じる事であり、人の苦しみを取り除いて楽を与えることは抜苦与楽と言って、仏の慈悲の心にも通じるのです。
毘沙門天は商売繁盛の神
鎧兜を着て、いかつい顔をしている毘沙門天が何故商売繁盛の神なのでしょうか。
それはそれは魔を追い払い、智慧を授け、福徳を与えることの要素を全て具えているからです。
周囲が敵だらけの中で成功していくためには鎧兜を着て邪鬼を踏むことによって魔を寄せ付けず、宝塔から出てくる智慧を授け、如意棒から出てくる福徳を授ける毘沙門天の守護があれば大いなる力を発揮出来るのです。
毘沙門天は商売繁盛、事業繁栄、勝負必勝などの御利益があると昔から言われているのは、私達欄減の世界のすぐ傍に居て、衆生の救済のために走り回っておられるからです。