同じ人の位牌があちこちに
同じ故人の位牌を複数作ってあちこちで祀ると魂が分断されて良くないとか言われますが、果たしてどうなのでしょうか。
位牌を複数作ったら
位牌というものは1つだけしか作ってはいけないという決まりはありません。
しかしながら位牌は後継者の住む家の仏壇に1つだけあるというのが通例で、一般的にはいくつもの位牌を作ってあちこちの仏壇でお祀りするようなことはいたしません。
遺骨を複数に分骨して複数のお墓に納骨することに対して「体がバラバラになるのだから成仏出来ない」という考えがあると同様に、位牌を複数作ってあちこちでお祀りすることが魂がバラバラになってしまうという考えになるのではないかと思います。
位牌の役割とは
位牌の本来の役割が亡き人の魂の依り代となって生きている人との心の交流をすることですから、亡き人との交流と言うことが本来の位牌の大切な役割なのです。
私達が亡き人と話をしたい、会いたいと思ったらお墓に行くのも良いですし、仏壇の位牌に向かって手を合わせて故人の事を思う方法でも良いのです。
亡き人が大切な人だからこそ、会いたい、話をしたいという気持ちが芽生える訳で、それだけ大切にされているということは、亡き人にとって嬉しいことなのです。
故人の事を大切にしたいという思い
仲の良かった兄弟、親代わりに育ててもらった人、とてもお世話になった人に御恩返しをしたいと思うなら、位牌を作って手を合わせたいという気持ちは大切にして頂きたいものです。
そういう場合には、出来ましたら故人の後継者の方にお話をして、了承して頂きましてから位牌を作ればよろしいと思います。戒名は頂いているのならその戒名を使わせて頂いて位牌を作りましょう。
位牌を作ったら
そして一度作った位牌は必ず開眼供養してもらってから一生大切にしてください。くれぐれも埃を被って放ったらかしにするようなことであれば、絶対に作るべきではありません。
こういう位牌は次の人にお渡しすることが出来ませんので、出来ましたら自らの最後の時に棺桶に入れてもらえば、故人様もきっと感謝感激、喜んで頂けることと思います。
どうしてもそれが出来なかったらお焚き上げ供養に出せば閉眼供養の上で焚き上げてもらえますから安心です。