更地の墓地

墓じまいの写真

更地とは建物や構造物の何も無いまっさらの土地のことで、墓地に於いては墓石や地下のカロートなどの構造物の無い土地で、すぐにでもお墓を建立できる状態のことです。

新規分譲

墓地分譲のイラスト

最近では少子高齢化核家族化、人口の減少の影響でこのようなタイプの墓地は後継者が必要という理由で少なくなり、後継者不要の樹木葬合葬墓などの管理費不要の永代供養墓が人気で、散骨も増えています。

しかしながら人口の集中する都会ではまだこのようなタイプの個別の墓地が必要とされていて一昔前と比べると少なくなりましたが、新規にオープンする墓地もあります。

新規に分譲される墓地は誰も使っていない更地ですから気持ちの良いもので、高価な値段で販売されています。

このようなタイプの墓地の購入に必要なのは

  • 永代使用料…購入時に支払う永代に亘って使用できる権利
  • 年間管理費…1年単位で支払う墓地の管理費
  • 墓石建立…カロートを持った墓地としての機能を持つ墓石一式の購入、工事費用

子供の頃から親に連れられて墓参りをしたような経験のある人にとって、家とお墓は必需品だという意識があり、家は生きている時に住むもので、お墓は死んだら入るものという観念がどうしてもあり、周囲の人が次々とお墓を購入していきますと、自分もお墓を買わないと困るだろうという気持ちになるものです。

墓じまいと更地

墓じまいとは後継者が居ないなどの理由でお墓から遺骨を取り出して改葬し、お墓の構造物を撤去して更地にして墓地を返還することです。

墓地については土地は借り物であり、石やコンクリートなどの構造物は使用者の所有物になりますので、墓地を返還するにはまずお墓の中の遺骨を取り出して改葬してから、石やコンクリートなどの構造物を撤去して更地に戻す必要があるのです。

この場合の更地とは石やコンクリートなどの構造物を綺麗に撤去して破片や残骸物などが残っていない状態のことで、新しい土を入れることもあれば、既存の盛り土を崩して平らにすることもあります。

いずれにしても最初に墓地を買った時の何も無い状態に戻すことなのです。

更地に戻された墓地は再び分譲されることになりますが、一度埋葬された場所であるという履歴があるために少し安い価格で販売されるようですが、それでも都会の近郊では墓地不足が深刻であり、都立霊園では墓じまいによって空いた墓地が更に分割されて抽選で分譲されています。

土葬の墓を更地に

遺骨収集

土葬のお墓を墓じまいする時には、墓石などの構造物を撤去してから遺体が埋葬されている部分を掘り起こし、骨を綺麗に集めてから埋め戻します。

墓地の管理者の要求によっては掘り返した部分に新しい土を入れることもあります。

意識の改革

新しく切り拓いた土地に新しい家を建て、新しいお墓を建てる、家だってお墓だって新しいと気持ちの良いもので、一生懸命に働いた結果としての御褒美だと思えば満足感が得られますので、経済社会というものは適度に所有欲というものを満たしてくれるのです。

しかし私達の経済活動による豊かさは自然を破壊し、資源を取り尽くしながら進んでいますが、誰だって少しでも豊かになりたいのは同じなので、今では世界中で自然や資源の取り合いが起こり、戦争にまで発展しています。

今私達は本当に新しいものばかりが必要なのかということを真剣に考える時期に来ているのです。

見せかけばかりのリサイクルではなく、必要の無いものは最初から買わない、少ないもので満足する、別に新しいものでなくとも良いという仏教的思想である小欲知足の実践が求められています。