核家族化とは
核家族化とは夫婦とその未婚の子供で構成される家族のことで、親夫婦と子夫婦、孫夫婦などが世代別にそれぞれの単独の世帯として住んでいる形態のこと。
大家族制度について
我が国では特に地方に於いて親夫婦と子夫婦、孫夫婦などの三世代またはそれ以上が同居する形態が家族制度として定着してきました。
農業や林業などを家業として営む大家族制とも言うべき大所帯の家族が、一つの家の中でお互いに助け合いながら生活していたのです。
大家族制では家族の者皆が家業を支えることで成り立っていますので、家族の連帯が密になり、助け合いの精神でお互いに支え合うことが長所になります。
但し嫁入りした者にとっては夫婦に馴染む以上に大家族という形態は馴染みにくいもので、複雑な嫁姑の問題が原因で離婚という不幸を作り出すことがあります。
家族制度の崩壊
昭和の時代位までは家業をしていなくても家と墓は相続の対象で、引き継ぐものであったことから、お墓については何世代もの人が入ることの出来る大きめの墓が人気であり、家も百年或いはそれ以上の耐久性があることが求められていました。
家族制度というものは後継者である長男が居ることが前提条件であり、戦後間もなくの高度経済成長の時代には産めよ増やせよの号令の下に子だくさんであることが幸せの象徴であり、後継者に困るようなことはありませんでした。
ところが現代では経済成長も安定期に入ってきますと家族の在り方や価値観が変わり始めて、趣味や娯楽に対する価値観に移行し、結婚ということに拘らない世代が増えた結果、結婚しない、或いは結婚しても子供を作らない人達が激増して家族制度の崩壊につながっているのです。
核家族化の問題点
核家族化が進むことによって夫婦だけの家ばかりとなり、夫婦共に高齢になれば介護が必要になって老々介護と言われるように高齢者が高齢者を介護することになってきます。
今の時代、介護付き有料老人ホームや介護付きマンションが人気なのは、老後の姿を見越して、いかなる状況になったとしても安心して過ごせる施設を望む人達が増えているからなのです。
介護付き有料老人ホームに入るためには自分達の家やマンションを処分して、後継者の居ない仏壇や位牌、お墓などは永代供養、或いは墓じまいをしなければいけません。
自分達が入るお墓も無いのですから、後継者不要の散骨供養や樹木葬、合葬墓などを決めておく必要があります。
何も残さないこと
お金というものは不思議なもので老後の生活に不自由しないようにと貯め込んだお金が余るようなことがあれば、親族入り乱れての争奪戦が始まって、決まって最後には人間関係がバラバラになってしまうのが世の常で、しかも奪い取ったお金で幸せになることはなく、不幸を増やすだけなのです。
子や孫のためにと思って残したお金でも決まって醜い奪い合いが勃発し、親の思い子に伝わらずという残念な結果になってしまうのです。
核家族化が進む現代社会では家や墓は子孫のために残すものではなく、残さないという事が基本になりつつあります。
たとえ後継者が居なくても自分がこの世に生まれてきた理由が必ずあるはずですから、その理由が分ることが大切な使命なのです。