大金剛輪陀羅尼とは

大金剛輪のイラスト

大金剛輪陀羅尼とは密教で日常的によく唱えられる一切の罪障を消滅させる陀羅尼

大金剛輪陀羅尼の内容

常用経典中の大金剛輪陀羅尼

大金剛輪陀羅尼の最初の部分は「のうまく しっちりや ぢびきゃなん さるば たたぎゃたなん」となっていることが多いですが、真言宗の常用経典には「さるば」が無く「のうまく しっちりや ぢびきゃなん たたぎゃたなん」となっていて、実際の真言宗の勤行では後者の方が使われます。

読み方

のうまく しっちりや ぢびきゃなん たたぎゃたなん あん びらじ びらじ まかしゃきゃら ばじり さたさた さらてい さらてい たらい たらい びだまに さんばんじゃに たらまちしった ぎりやたらん そわか

意味

過去、現在、未来の三世の全ての如来帰依します。
(フーム)煩悩の垢を離れた方よ、煩悩の垢を離れた方よ、偉大なる法輪を廻す不退転の悟りを得た方よ、
私たちと同じく有情の方よ、有情の方よ、悟りの堅固な方よ、悟りの堅固な方よ、
救済して下さる方よ、救済して下さる方よ、消滅させる方よ、
粉砕して下さる方よ、三慧を成就した方よ、
最も勝れた御方よ、(スヴァハー)

サンスクリット

Namah striya dhvikanam sarva tathagatatam
hum viraji viraji maha cakra
vajri sata sata sarate sarate
trayi trayi vidhamani
sambhamijani tramati
siddhagri tram svaha

漢字

曩莫 悉底哩也 地尾迦喃 薩嚩 怛他蘖哆喃
唵 尾囉爾 尾囉爾 摩賀 作訖囉
嚩日哩 娑哆 娑哆 娑囉底 娑囉底
怛囉以 怛羅以 尾馱麼儞
三畔若儞 怛囉摩底
悉馱儗哩曳 怛覧 娑嚩賀

大金剛輪陀羅尼の役割

大金剛輪陀羅尼は真言宗の勤行にも含まれていて最後の方に唱える陀羅尼ですが、最後の方に唱える理由としては、私達は読経真言、陀羅尼などを唱える時に知らず知らずのうちに間違いを犯していることがあり、或いは考え事をしたり雑念が生じたりすることがあるのですが、そういう時に本尊或いは金剛輪菩薩に赦しを乞うために唱えるのが大金剛輪陀羅尼なのです。

唱えてみよう

大金剛輪陀羅尼を唱えるイラスト

私達は仏法の修行をしていても頭の中が煩悩だらけで気が散ったり集中できないことばかりですから、雑念に支配されたり読経や真言を読み飛ばしたり間違いなどがあるのですが、そういったことを全て許してもらえるという便利な陀羅尼があるからこそ、安心して修行出来るのです。

但しこれを唱えれば読経を間違えても良いのかと言えばそうではなく、間違えないように集中しながらも犯してしまった気が付かないミスに対して、或いは過去の自分が犯した間違いに対して赦しを乞うのが大金剛輪陀羅尼なのです。

日常的に真言宗の勤行をしていれば必ず唱える陀羅尼です。

初めての人のためにMP3音声データを作成しました。

大金剛輪陀羅尼を単独で唱えるよりも真言宗の勤行を毎日続けることの方が良いと思いますが、初めての人でしたら中々覚えにくい陀羅尼ですから、とにかく毎日唱え続けていくような地道な努力が必要です。

真言や陀羅尼は意味を考えるよりは、たとえ分からなくても唱え続けることによる音の波長を体で感じることの方が大切なことで御座います。

身体の栄養は食べ物から得られますが、心の栄養は仏法の修行から得られるのです。