鬼神とは
鬼神(きじん)とは荒々しく恐ろしい神のことで「おにがみ」とも言われています。
我が国の民間信仰では
我が国の古来より信じられてきた民間信仰では鬼神とは、死んだ人の魂や祖霊のことであり、死者の霊がこの世に出てくると暴れたりして悪事を働くので、祭事を行うことによって死者の霊を鎮めたり、死体を埋葬する時に重たい石を上に乗せたりしたことが現在のお墓の墓石になっていると言われています。
死者の霊は祭事を行うことによって守り神になり、家を守る神として家の一番高い所に祀られたのが鬼瓦であり、外の世界に対して睨みを利かせているのです。
仏教では
仏教では超人的な力を持つ神として善神、悪神共に鬼神とされ、仏法守護の役割を持つ梵天、帝釈天などの天や竜王、および夜叉、乾闥婆(けんだつば)、阿修羅(あしゅら)、迦楼羅(かるら)、緊那羅(きんなら)、摩睺羅伽(まごらが)の八部衆などを善鬼神とし、羅刹などを悪鬼神とします。
毘沙門天の邪鬼
毘沙門天の邪鬼は元々悪い事ばかりする鬼で、とても嫌われていた存在でしたが、毘沙門天に教化されて仏法を護る毘沙門天の使いになりました。
八大夜叉大将
八大夜叉大将とは毘沙門天の眷属として働く夜叉のことで、元々は悪を働く鬼神だったが仏教に帰依して善神になりました。
八大夜叉大将の名前は
宝賢夜叉(ほうけんやしゃ)
満賢夜叉(まんけんやしゃ)
散支夜叉(さんしやしゃ)
衆徳夜叉(しゅうとくやしゃ)
応念夜叉(おうねんやしゃ)
大満夜叉(だいまんやしゃ)
無比力夜叉(むひりきやしゃ)
密厳夜叉(みつごんやしゃ)
釈迦と鬼神
「長阿含経」には釈迦が入滅する時に「口が乾いたので水を持ってきて欲しい」と弟子に頼んだところ濁った水ばかりで綺麗な水が用意出来なかったことから、雪山の鬼神が鉢に浄水を酌んで捧げたという説話があり、「末期の水」の由来とされます。