地鎮祭とは

地鎮祭

地鎮祭とは土木工事や建築工事などを新たに始める場所の地主神に使用する旨のお断りを入れて、工事の安全や家内安全などの守護を祈願する儀式。

地鎮祭の目的

八百万神のイラスト

我が国には古より八百万の神と言われる程それぞれの土地に固有の地主神が居られて、その土地の自然を司りながら人々の生活を見守る神として崇められ、五穀豊穣をもたらし、安定して生活できるようにとの願いを込めて様々な祭りごとをしてきた文化が今でも継承されています。

地主神は私達人間よりも遥か昔から居られて土地を司る神なので、土地を造成したり、家を建てたりする時には必ず地主神様に挨拶をして地主神様をもてなす儀式をし、土地使用の了解を得るための儀式が地鎮祭なのです。

地主神様には「お断り」を入れてから住むというのが昔からの礼儀なのです。

私達が祖先から受け継いできたのは神仏や先祖を敬う心で、どんなことでも自分達より神様やご先祖様が先であるべきで、たとえば朝一番の炊き立てのご飯も神様やご先祖様に最初にお供えしてからその次に自分達も頂くという習慣の中に根付いているのです。

自分がお金を出して買った土地だから自分の物、自分の好きなように使えばよいという考えではなくて、神様の土地をお借りするという謙虚な気持ちが必要なのです。

神式の地鎮祭の流れ

神主、白装束

神式の地鎮祭は地主神様と氏神様をお迎えしてもてなす儀式です。

一般的に地鎮祭と呼ばれるのはほとんどが神官が行う神式の儀式です。

  • 手水(てみず)…手水桶の水で両手を洗い清める
  • 修祓(しゅばつ)…参列者とお供え物を祓い清める
  • 降神(こうしん)…地主神、の氏神を迎える
  • 献饌(けんせん)…神に祭壇のお供え物を献上
  • 祝詞奏上(のりとそうじょう)…祝詞を奏上
  • 清祓・散供(きよはらい・さんく)…土地の四隅を祓い清め、米・塩・切麻を撒く
  • 地鎮(じちん)…忌鎌(いみかま)で草刈初(くさかりそめ)、忌鍬(いみくわ)で穿初(うがちぞめ)、鎮物(しずめもの)の埋納等
  • 玉串拝礼(たまぐしはいれい)…玉串を奉りて拝礼
  • 撤饌(てっせん)…お供え物を下げる
  • 昇神(しょうしん)…神を元の御座所に送る

仏式の地鎮祭の流れ

僧侶、読経、葬式

仏教では地鎮祭のことを「起工式」と言うこともあって、地主神様や氏神様にお断りを入れる儀式と言うよりは、工事の安全やその後の家庭の安全を本尊仏や先祖に祈願するための儀式の要素が強くなっています。

土地を浄化するために護摩を焚くこともあり、宗派によって形式が異なります。

  • 開式の辞
  • 礼拝
  • 住職焼香
  • 浄三業
  • 道場観
  • 読経
  • 表白
  • 廻向
  • 鍬入れ
  • 住職法話
  • 閉式の辞

地鎮祭の日程は

予定のイラスト

地鎮祭は新規に住宅を建設するような場合には施工会社が段取りしてくれることが多いので、そういう場合には任せておけば全て準備してくれます。

自分で準備する場合には神主、僧侶の手配からテント、供物などを手配することになりますので、どのような物が必要かは地元の経験者に聞いてみるのがよいでしょう。

依頼する神主、僧侶が決まっていたら、その寺社に聞けば必要な物は教えてくれます。

実際の工事が始まる1~2週間前の日で「大安」「友引」「先勝」などの日の午前11時~午後1時までの間に設定することが多く、「仏滅」「赤口」は避ける傾向があります。

また当日雨が降っても「浄めの雨」ということで縁起が良いと捉えて開催されます。

地鎮祭に必要な物

地鎮祭に必要な物のイラスト

地鎮祭では事前の会場作りから御供え物、御礼、粗品などが必要で、地鎮祭が済んでから直来(なおらい)と言われる食事の接待の準備もしておく必要があります。

  • 地鎮祭の会場… 竹、締め飾り、幕など
  • 神事…米、酒、塩、榊、大麻(おおぬさ)など
  • 供物… 鯛、昆布などの海の幸、果物、野菜などの山の幸
  • 御礼…神主、僧侶への御礼、 初穂料
  • 直会…お神酒を飲む器、食事など
  • 粗品…ご近所への手土産 タオル、菓子など

神仏の守護

高野明神

弘法大師空海開祖の高野山では伽藍を見守るように高野明神と言われる明神様がお祀りされています。

高野山の地主神である丹生都比売命(にうつひめのみこと)と高野明神(狩場明神)、十二王子、百二十伴神を祀る神社で、弘法大師が高野山を開創する場所を案内した狩場明神は今でも伝説として語られていて、高野山では如何に土地の神を大切にしているかが分かる神社です。

高野山で加行を行う者は必ず修行中に参拝する大切な神社です。

高野山の歴史が今まで続いていること、伝統が守られていることは、地主神様の守護の賜物なのです。