御朱印帳とは
御朱印帳は霊場巡りなどで寺社を参拝した際に、その証として頂く本尊の朱印を押し、寺社名や本尊名、参拝年月日などを筆書きして記帳してもらうもの。
一つの寺社について1ページを使い、何処の寺社でも使うことが出来る汎用品や、四国八十八箇所霊場や三十三観音霊場などには専用に作られた御朱印帳もあります。
御朱印の功徳
四国八十八か所巡り、西国三十三観音霊場巡りなどの霊場巡りは、決められた霊場を本来は一つ一つ歩いて巡っていく修行で、それぞれの寺院には全体の中での固有の位置付けがあり、一か寺巡る度に巡礼の功徳が積まれて、最終的に全部を巡ることによって巡礼の功徳が成満するのです。
巡礼の旅は仏道の修行そのものであり、一つ一つの寺院を巡る旅に自分の犯した罪を懺悔して心を清め、本堂の前で御本尊様に対して真剣に祈り願うことで仏道を歩む尊さを体験していくのです。
神仏や先祖などの眼には見えない存在を意識しての巡礼では、今まで気が付かなかったことを気付かせて頂いたり、大自然や大宇宙の中に居る自分の存在のあまりの小ささや、悠久の時間の流れの中でのみずからの生きている時間のあまりの短さに気付いた時に、自らの使命を感じ取るのです。
一か寺一か寺を巡ったという証としての御朱印をご朱印帳に頂き、霊場巡りが完結する度に1冊増えていくのですが、霊場巡りをした人にとっては巡礼の記念であり、自分の勲章でもあるので、とても大切にされているのです。
御朱印帳の他にも
またご朱印帳の他に掛け軸や、経帷子(きょうかたたびら)と言って白衣にご朱印を頂くこともあり、この掛け軸や経帷子もまた巡礼をした本人にとっては家宝と同じくらいの価値があるものです。
亡くなった時の副葬品として
巡礼をされていたご本人様が亡くなった場合には、御朱印帳はご本人様にとっては宝物であり、巡礼と言う功徳を積んだ証なので副葬品として他の巡礼用品と共に棺桶の中に入れて差し上げることがあります。
御朱印帳を副葬品として棺桶の中に入れる事に関しては全国何処であっても全く問題ありません。
また巡礼の時に来ていた御朱印の付いた白衣を、死に装束の経帷子として用いることもありますが、こういった使い方こそご本人が修行した証であり、ご自分で積んだ徳なのですから、是非とも着せてあげたいものです。
都市部での葬儀ではあまり見られなくなりましたが、亡くなった人には「死に装束」と言ってあの世を旅する伝統的な旅姿として経帷子に頭陀袋、手甲脚絆に杖と傘を持たせた姿が死者の正式な衣装だったのです。
死後の世界は巡礼の旅であり、生きている世界も巡礼の旅であり、私達は永遠の旅を続けていると捉えるのが仏教的な思想なのです。
処分とお焚き上げの方法
御朱印は寺社を参拝した証として頂くものであり、巡礼の旅の集大成としての宝物ですから、本人が亡くなったような場合に、簡単に処分してしまってよいものかどうか悩むところです。
御朱印帳の処分
亡き人が残した御朱印帳はゴミとして捨てることに何の問題もありません。
普通に捨てても構わない物でしたら可能でしたら塩を一振りして白い紙か半紙に包んで出しましょう。
しかし故人が道を求めたり、願い事があって命がけで霊場巡りをした記念としての御朱印帳などは簡単に捨てられるものではありません。
故人の思いや願いが感じられるからなのです。
御朱印帳のお焚き上げ
亡くなった人の遺品整理している時に御朱印帳、掛け軸、経帷子などが押し入れなどから出てくることがありますが、こういった物に関してはご本人様が積んだ徳の証としての宝物ですから、貴重な物を少しだけ残して、後はお焚き上げで天に届けて差し上げれば必ず喜んで頂けます。
御朱印帳や掛け軸などは形見分けとしては皆さんあまり欲しがりません、かと言って捨てるような物ではありませんので、こういう時にはお焚き上げ供養で思い出と共に天上のご本人様にお届けてして差し上げるのが親切だと思います。
本人が積んだ功徳として残っているものは、ご本人に届けて差し上げるのが一番良い方法ではないかと思います。
御朱印帳のお焚き上げ供養は次のいずれかで大丈夫だと思います。
たくさんある時には