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お葬式をしていない
お葬式をせずに病院から直接に火葬場に向かう「直葬」という方法は、お葬式をしないので葬儀社の利益が少ないことから葬儀社が扱いたがらないメニューなのですが、葬儀の簡略化や価値観の変遷に伴って直葬を利用する方が増え続け、最近では新型コロナの影響もあって葬儀社も積極的に扱うようになりました。
葬式をしない理由は
ここで言うところの「葬式」とは親族の人や友人、関係者などが集まって僧侶などを呼んで行う、亡き人の弔いの儀式のことです。
葬式をしない理由としては
- 故人の生前中の遺言
- 故人の生前中の考えや宗教観
- 遺族の考えや宗教観
- 金銭的な都合
- 親族が誰も居ない
- 借金をして亡くなった
- 故人の生前中の行いが悪くて嫌われていた
などの理由ですが、最近では新型コロナにかかってしまい、葬儀が出来なかったということもあり、他には離婚したが孤独死で見つかって身寄りが無いからという理由で警察から呼ばれた、海岸に打ち上げられた死体を調べてから縁故者ということで連絡が来たなどの様々な理由があるのです。
経済的な事情から人間関係の問題まで実に様々な理由があるのですが、お葬式というものはせめて最後のお別れをと集まる人がいるからこそ行うもので、集まる人が居なければしないということは当然の結果でもあるのです。
葬式とは
葬式は亡くなった人と最後のお別れをする場であり、血縁関係のある身内や親族を始めとして、生前中にお世話になったことの御礼とお別れのために遠方からでも駆けつけるのです。
葬式のもう一つの目的は亡き人を迷わずに天に送り届ける事であり、僧侶が行う「引導作法」とは亡き人に対して手を引いて導くための作法であり、宗旨宗派によって作法は違いますが、浄土もしくは悟りの世界へと導くためのものです。
しかし死後にどの世界に行くのかは生前中の行いによって決まると言われていますので、亡くなってから葬式をして、良い世界へ行けるようにと祈っても手遅れなのですが、最後のお別れのため、供養と言う目に見えないものを届けるため、そして亡き人が迷わぬように導くという役目は大きいと思います。
葬式をしなかったらどうなるか?
葬式をしたから極楽浄土に行って、しなかったから地獄に堕ちるようなことはありません。
ましてや高い戒名を貰ったら極楽浄土の上の世界に行き、低い戒名なら浄土ではあるが低い世界などという事もありません。
但し葬儀と言うものは亡き人をあの世に送る案内役ですから、僧侶が居なくても心得た人なら迷うことは無いでしょうけれど、案内が無ければ途中で迷うかもしれないということでしょうか。
案内は絶対に必要な訳ではありませんが、僧侶がこちらの世界から送り出して後は十三仏に案内を頼むというように、葬儀に参列した人を始めとして僧侶や十三仏などの神仏の力を借りて故人を送り出すのですから、案内というものはあった方が心強いもので御座います。
いずれにせよ葬儀というものは亡き人が旅立つわけですから、こちらから出来る限りの精一杯の旅支度とお見送りの気持ちを表現するものです。
後からでも葬儀は出来ますか?
亡き人に対して精一杯のことがしてあげられなかったことを悔やみ続ける方が居られます。
もう今となってはどうにも出来ないけれど、あの時にもっと丁寧にやってあげれば良かったのに…
亡き人は満足していないだろうか、悲しんでいないだろうか、迷わずに彼岸に行けただろうか…
こういった苦しみは一生涯悔やみ続ける訳で、深い心の傷になっているのです。
しかし何時までも悩み続けてもどうにもなりません。
こういうときにこそ供養というものが解決してくれるのです。
亡き人を荼毘に付した後でしたら目の前に亡き人が居る状況とは違いますけれど、葬儀と同じことは行うことが可能です。
お葬式をしなかったから、それに代わる供養をしてほしいということも可能ですから、どうしたら良いか分からない時にはどうぞご相談下さいませ。
戒名とは
戒名とは仏門に入った証として釈迦の弟子になったということで授けられる新しい名前のことで、仏門に入るということが私達にとって、仏の世界で修行して真の幸せにたどり着ける道筋の第一歩なのです。
亡き人の戒名を刻んだ位牌を作ることにより、亡き人への供養を手向け、亡き人も私達も共に修行するためのきっかけとしての戒名なのです。
良い戒名なら極楽に行くとか戒名が無いから浄土に行けないということはありません。
私達が生まれて来た真の理由を知り、私達の使命が何であるのか、私達が今何を為すべきか、そして死後に何処に行くのかという単純な問いの答えが少しでも分かってきたら、それに対する答えを教えてくれる仏門に入ることはとても意義のあることなのです。
戒名は亡き人に対する最高のプレゼント
お葬式をしていなくても、亡き人がそのせいで地獄に堕ちるという事はありませんが、亡き人が死後の世界に向かうのに、家族の人に看取られ見送られて、迷わぬように儀式を行い、導くということはとても心強いことであり、もしお葬式をしなかったことを後から悔いるような気持ちや、本当はもっと何かしてあげるべきだったかな、という考えがあるのでしたら、戒名を頂き、位牌を作ることは亡き人に対するとても温かいプレゼントになります。
亡き人に対しては次の事が必要になります
- 自分が亡くなったという事を理解してもらうこと
- 死後の道を迷わないこと
- 自分の事を覚えていてくれる人がこの世の世界に居てくれること
- 自分の供養を手向けてくれること
こういったことを満足させるためにも戒名と位牌は必要です。
供養というものは自分が一方的に手向けるものではありません、必ず自分にも返ってきますが、返ってくることを当てにした供養では意味がありません。
白木の位牌をお焚き上げ
白木の位牌は四十九日までお祀りするもので、四十九日の法要が済みましたら塗りの本位牌に切り替えて僧侶に開眼供養してもらい、白木の位牌はお寺に納めるかお焚き上げ供養に出します。
やすらか庵で戒名付きの位牌を依頼された方には白木の位牌は無料で引き取ってお焚き上げ供養させて頂きます。
白木の位牌を送る時の送料はご負担くださいませ。