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少子化対策とは
我が国の人口の減少の主な原因である少子化に対して政府の子供家庭庁が主体となり、結婚・妊娠・出産・子育てなどがしやすい環境を整備する政策です。
少子化対策の内容は
我が国の少子化対策について主な点を解説します。
結婚支援
内閣府は、結婚に伴う新生活の初期コスト軽減を目的とした「結婚新生活支援事業」を実施し、一定の条件を満たす世帯に対して、新居の購入費や家賃、引越し費用などに使える最大60万円の補助金が支給されます。
これはお祝い金みたいなもので、あれば助かるでしょうけれど、これを目当てに結婚する人はおそらく居ないでしょうし、私達の世代ではこういったお金をもらわなくても結婚する人は結婚していました。
妊娠・出産支援
不妊自体は生命に差し迫る重大な病気ではないことから健康保険適用外であり、高額な医療費は自己負担が原則でした。
2022年4月から、不妊治療に対する保険適用が開始され、窓口での自己負担額が3割になったことで、不妊治療の利用促進が期待されています。
また「出産育児一時金」1児につき50万円支給されます。
不妊治療費の保険適用は良いことですが、現金のばら撒きに関してはこれもまたお祝い金という事で、これを目当てに出産する人はおそらく居ないでしょう。
子育て支援
2019年10月より、3歳から5歳までの子どもの幼稚園・保育所・認定こども園等の利用料が無償化されました。
また、待機児童問題の解決に取り組み、育児・介護休業法の改正を行い「産後パパ育休」が創設されました。
今の時代両親共働きで家庭を支えている人が多いので、仕事と子育ての両立が出来るように社会の仕組みとしての支援が必要です。
少子化が止まらない
我が国で昨年一年間に生まれた子供の数は68万6千人あまりで初めて70万人を切ったというニュースが流れましたが、これは我が国にとって深刻な事態であり、人口の減少に歯止めがかからなくなっているのです。
政府の少子化対策としての7.3兆円にも及ぶ予算の効果が表れていないのは明白であり、ある意味これだけの予算を使っても少子化を食い止めることが出来ないのは、予想以上に少子高齢化が進んでいるからであり、もうどうにも出来ない地点まで来ているのではないかと思われます。
少子化の原因について
少子化の原因については一つの要因だけではなく、複雑な要因が関連していると思われます。
未婚と晩婚
近年は女性の社会進出が著しく、一昔前までは「男は外で働き女は家庭を守る」という夫婦の姿が当たり前であり、会社や企業に於いて「女性は社内で相手を見つけ結婚したら辞めるもの」という暗黙のルールがありました。
また女性の結婚はクリスマスケーキに喩えられ「25日までは予約と当日販売で売れるけれど25日を過ぎたら売れ残りで誰も見向きもしない」と言われたものでしたが、結婚適齢期という意味で言いますと25歳位が適齢期だったということなのです。
まだ男尊女卑の風潮が残っていた時代かもしれません。
ところが男女平等の考えが浸透し、女性の社会進出と重要度が増すごとに女性の結婚の年齢は遅くなり、結婚せずに会社に居続ける人が珍しくない時代になりました。
男性にしても豊かな世の中で満たされた生活を送っていますと、趣味や娯楽などで自分の時間を大切にしたいと思う人が増え、結婚しなくても不自由しないと思う人が増えているのです。
こういったことは世の中の豊かさの成熟の度合いによってもたらされた影響なのです。
現代では結婚しても夫婦別姓でお互いの考えや価値観を尊重し、同居することは共同生活の延長のようなもので、子供が居るとお互いの負担になるからということで子供を望まないという人が増えてきましたが、これもまた豊かな世の中だからこそ実現できる夫婦の形なのです。
育児に対する経済的負担が大きい
育児というものは経済的或いは精神的な負担が大きいものですが、苦労を楽しめる人でしたら何とか乗り切ることが出来るものです。
一昔前までは夫婦の親が近くに住んでいて、子守の手伝いや金銭的な援助をしてくれたものですが、地方の故郷に両親を残して都会に出てきた人達はそういった支援が望めないのです。
ジジババの代りになるような支援は確かに必要です。
結婚に対する価値観
物資が不足していて貧しい時代には豊かさにあこがれて家が欲しい、車が欲しい、幸せな家庭が欲しいという夢を叶えるためにとにかく懸命に働いた結果として人口が増えていった時代がありました。
特に戦後に焼け野原になってしまい、食べるものさえ満足に無かった時代には少しでも豊かな生活を夢見て、これからの良い時代を皆で作っていこうという希望を皆が共有していたので、まずは自分達一人一人が幸せな家庭を作っていくことが求められていたのです。
幸せな家庭に対する貪欲なまでの願望をもった人達が今の豊かな時代を作り上げた結果として私達は豊かさを享受することが出来ているのです。
今の時代の若い人達は豊かな時代の中にあって、様々な楽しみを得ることが出来ますので、結婚が幸せの姿だとは思っていない人が意外と多いのです。
少子化の根本原因
新型コロナの世界的流行によってソーシャルディスタンスが推進されたことで人と人との距離が遠くなってしまい、マスク越し、ついたて越しの会話、或いはビデオ会議もまた距離を遠くしてしまいました。
爆発的な感染力と新型への変異の速さであっという間に世界中に広がり、死の恐怖を伴う感染症は人類の滅亡をもくろむ悪魔のようで、今まさに末法の世であることを痛感するのです。
不要不急の外出禁止令では家に閉じこもって待機するのみ、このようなご時世では男女の出会いや恋愛の機会など失われてしまいますので、新型コロナの影響が今まさに少子化ということにつながっているはずです。
そして戦争や紛争が身近な所で勃発することや個人主義に支配されることによって世の中が不安定になり、私達の日常の生活に影響を及ぼし、安全で安心そして平和な生活が遠ざかっていることもまた少子化につながっているのです。
少子化の影響
世界的に見て一国の人口はある程度まで増えてピークを迎えたら減り続ける傾向にあるのは仕方のないことですが、人口が増えた時の態勢をそのまま維持しようとしても無理があり、様々な事を減らしていく必要がありますが、何の対策もせずにいると、少子化は私達の生活にも深刻な影響を及ぼしてしまいます。
生活が苦しくなる
少子化によって我が国には様々な悪影響が出ることが懸念され
- 年金制度が破綻する
- 医療福祉の不足
- 生活の質の低下
- 治安の悪化
- 国力の低下
- 国際競争力の低下
- 地方自治の破綻
- 労働力の不足
などの他にも多くの問題が起こってきます。
家じまい、墓じまいにも影響
現在増え続けている家じまい、墓じまいにしても人口の減少、少子高齢化、核家族化の問題が深く関わっています。
お墓は本来、子孫長久を願う先祖と私達子孫の対話の場所であり、先祖の守護に感謝の気持ちを手向け、やがては自分達も入っていく場所ですが、後継者が居なければ先祖から受け継いできたバトンを渡すものが居なくなるので、そのまま放置すると無縁墓になってしまうので、やむなく墓じまいということになるのです。
栄枯盛衰は世の習い
栄枯盛衰とは世の中というものは栄えることもあれば衰えることもあるという意味で、栄えたり衰えたりを繰り返している様を表しています。
国の栄枯盛衰
栄枯盛衰の法則は諸行無常の仏教の法則と同じ、世の中のあらゆる物に適用され、例外がありませんので、国についても適用されることを思えば、今の我が国は衰えていく時期なのであって、少子化だからと言ってジタバタしても仕方ないということが分かります。
但し国が衰えているからと言って誰もが一様に影響を受けるにしても家庭の中だけは平和で居ることが出来るように心掛けましょう。
家庭は夫婦と子供が基本ですが、たとえ自分一人だけでも姿なき先祖が守ってくれているから家庭なのです。
たとえ少子化が進んで生活が苦しくなったとしても、物質の豊かさばかり追い求めてきた反動としての結果なのですから、これからの時代は心が豊かであれば良いのです。
それでも子供は国の宝です
子供は家庭の宝であると共に国の宝であり、過去となりゆく私達に対して未来を切り開いていく大切な宝物です。
私達は子供達のために希望の持てる世の中を残していく責任があり、命が繋がっていくことで新たな希望が生まれてくることはとても悦ばしいことなのです。
命ある生き物として人類が生き残っていくことは必要であり、私達も永遠の旅を続けている旅人として、命ある者を大切にすることは大切な使命なのです。