約束とは

約束のイラスト

約束とは当事者間のするべきことまたはしてはいけないことを守る取り決めのことで、口頭で説明、紙に書いて残すなどでその内容をお互いに確認します。

指切りげんまん

指切りげんまんのイラスト

子供の頃に友達と約束するのにお互いの小指を絡ませて「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます、指切った」と言っていました。

これは昔から約束事をする時に歌われるわらべ歌の一節で、地方によって様々な歌があるそうです。

「指切り」とは「手切り」のことで「ちぎり」「契り」で約束、契約のことです。

「げんまん」は「拳万」のことで、拳骨で一万回殴るということです。

つまり約束を破ったら拳骨で一万回殴るということ、更には針を千本飲ませるということで、約束を破ると恐ろしい目に遭うということなのです。

守るということ

僧侶の説明のイラスト

約束はお互いに決められたことを守るという取り決めであって、世の中には個人同士、組織間、企業間、国家間などの間で決められた多くの約束が存在し、更には個人と組織、企業と国家などの間にも様々な約束が存在します。

法律、法規、条令、規則、規約なども広い意味での約束であり、守らなかった場合の罰則が付随することがあります。

約束を守るということについてはお互いの良好な信頼関係があるからこそ意識的に守ろうとするのであって、約束を破ってお互いの不利益に繋がれば関係は悪化しますので、平和な関係を維持していくためにも約束を守ることは大切な事です。

家庭の中での約束

約束のイラスト

社会生活をしていく上で私達は様々な約束があり、家庭の中に於いても夫婦間、親子間などでの約束事があります。

夫婦間では家事や育児、掃除やゴミ出し、休日の過ごし方などの取り決めがあり、親子間では部屋の片づけ、勉強時間、生活態度などの取り決めがあります。

家庭の中での約束は家族が仲良く平和に暮らしていくための取り決めであり、約束の内容に関しては流動的で、家族で話し合って決めていき、守ることが出来ない約束に関しては守るように努力することを確認し、それでも守ることが出来ないのなら守ることが出来るような内容に変えていくことも時には必要です。

約束を守る人

写経の歴史

人と人との関係はお互いの約束を守ることによって信頼の絆を深めます。

結婚する時の「あなたを一生幸せにします」の約束は結婚式のセレモニーとしての演出なので長続きすることなく、やがては性格の不一致、パワハラ、モラハラなどが原因で離婚する人が後を絶ちません。

今の世の中自己中心的な人が増え続け、家庭の中でも自分さえ良ければそれで良いという自己満足の考えが家庭崩壊をもたらしています。

自分の事しか考えない人にとって、相手との約束を守ることなど面倒なことなのです。

しかしながら面倒なことを楽しむのが家族であり、困難なことを解決して楽しみに変えていくのが家庭の場ですから、自分一人だけの楽しみではなく、相手と楽しみを分かち合うためにも約束をさりげなく守り、しかも守ってくれている人に対しては「ありがとう」の感謝の気持ちを伝えましょう。

約束を破る人

三日坊主のイラスト

世の中には平気で約束を破る人や約束を破っても全く罪の意識が無い人がたくさんいます。

家族間で約束を守らないことが続けば家庭崩壊につながり、国家間で約束を守らないことが続けば戦争にも発展することがあります。

約束はお互いの関係を良くするための取り決めですから、守ることが出来なかったら相手に対して謝罪の意を示すべきですし、守ることが困難でしたら話し合いで解決すべきです。

仏門に於ける約束

受戒、授戒とは

真言宗では仏門に入る人に対して十善戒という戒律を授けますが、この戒律は仏門に入る者と神仏との約束であり、約束を守るという条件で仏門への入門を許されるのです。

十善戒とは仏教に於ける十悪を否定する形にした戒律のことです。

  • 不殺生(ふせっしょう)…生きものを殺さない
  • 不偸盗(ふちゅうとう)…盗まない
  • 不邪淫(ふじゃいん)…淫らな行いをしない
  • 不妄語(ふもうご)…嘘をつかない
  • 不綺語(ふきご)…お世辞などを言わない
  • 不悪口(ふあっく)…悪口を言わない
  • 不両舌(ふりょうぜつ)…二枚舌を使わない
  • 不慳貪(ふけんどん)…むさぼらない
  • 不瞋恚(ふしんに)…怒らない
  • 不邪見(ふじゃけん)…間違ったものの見方をしない

十善戒は守らなかったからと言って罰則はありませんが、意識しなくても守ることが出来れば仏の世界の住人の仲間入りが出来るのです。