三種の神器とは

三種の神器

三種の神器とは皇位のしるしとして、代々の天皇が伝承する八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)の三つの宝物のことです。

誰も見たことが無い

入定のイラスト

三種の神器は神話の記紀に出てくる神々から与えられた宝として、そして現在でも御神体として祀られているものですから天皇でさえ見ることが無い宝物です。

レプリカは想像で作られたものですから、実際の本物がどうなっているのかは誰も知らないのです。

高野山奥の院弘法大師に毎日食事を届ける生身供(しょうじんぐ)が伝統として1200年続いていて、御廟の中には高僧である維那(ついな)しか入ることが許されていませんが、弘法大師の姿を絶対に他言してはいけないという決まりがあるように、信仰の対象というものはある程度近くに行くことは出来るけれど、壁の向こうにあって隠されている方が有難いものなのです。

八咫鏡(やたのかがみ)

天岩戸神話のイラスト

神代の昔のことですが、高天原(たかまのはら)と言う所に神々が集う場所があり、太陽神である天照大神には弟の素盞嗚命(スサノオノミコト)が居ました。

素盞嗚命は大変に乱暴な神であり、毎日悪事を働き、田の畔を壊して溝を埋めたり、御殿に糞を撒き散らすなどを繰り返しました。

ある時天照大神の織物小屋に馬を投げ込んだために、驚いた天の服織女が死んでしまう事件が起こり、激怒した天照大神は天岩戸に引き籠ってしまったので、以後は世の中が暗闇の世界になってしまったのです。

暗闇の世界になってしまって困った八百万の神々は天安河原(あまのやすかわら)に集まって様々な談議が交わされました。

鶏を鳴かせて朝を演出してみましたが失敗しました。

次に天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が招霊(おがたま)の木の枝を手に持って踊りを舞い、其の回りで他の神々が笑い騒ぎ立て、大宴会が始まるとあまりの賑やかさに天照大神は岩戸をほんの少しだけ開けてのぞき見し、「太陽の神である自分が隠れているから外は真っ暗で皆が困っているはずなのに、どうして楽しそうにしているのか」と問いました。

天宇受賣命は「貴方様よりも貴い神が現れたので、それを喜んでいるのです、早速お連れします」と答えてに天照大神の顔を写し出し、自分の顔だと分からなかった天照大神は更に良く見ようと体を乗り出した時に天手力雄大神(あめのたぢからおのおおかみ)が天照大神の手を取って引き出しました。

この時の鏡が八咫鏡と言われています。

草薙剣(くさなぎのつるぎ)

素戔嗚尊のイラスト

素盞嗚命(スサノオノミコト)が出雲国の簸川上(ひのかわかみ)でヤマタノオロチを倒した時に尾から出てきた剣と言われ、後に日本武尊(ヤマトタケル)が譲り受けたものという伝承があります。

日本武尊が移動中に周囲を火で囲まれた時に草を薙ぎ払った時に使われた剣とも言われています。

鏡と剣、勾玉は魔除けとしての効果があることから、死者を寝かせた衣服や布団の上に置かれることがあります。

魂の抜けた死者には魔物が憑きやすいと昔から言われ、魔物は光る物や尖った物を嫌うということで魔除けとして鏡や刀、ハサミ、ナイフ、カミソリなどを棺桶に入れるようなことがありましたが、近年では棺桶に入れないように通達されていますので、処分にお困りでしたら遺影白木の位牌などと共にやすらか庵のお焚き上げ供養を御利用下さいませ。

八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)

卑弥呼のイラスト

大きな玉で作られた勾玉(まがたま)であり、天照大神が天岩戸に隠れた時に玉祖命(たまのおやみこと)が作って八咫鏡と共に榊の木に掛けられたという伝承があります。