気持ちの籠った手紙
スマホの普及によってラインやメールが気軽に利用出来る時代になりましたので、紙とペンで手紙を書くようなことは少なくなってしまいましたが、大切な思いを伝えたいなら手紙を使うことをおすすめ致します。
思いを伝える
私達が相手に大切な思いを伝えるには身口意の三業によって伝えるのが効果的な方法で、身口意の三業とは
- 身業…体による行い…触れる、体で表現、行動するなど
- 口業…口による行い…思いを述べる
- 意業…心で思うこと…思いが伝わるように願う
三業による行動はそれぞれ単独でも効果がありますが、身口意三業の三つ全てを実践することが最も効果的な方法です。
手紙を書くことは手を使ってペンを走らせ、大切な思いを口で唱え、心で願いながら書き上げるという身口意の三業を活用することにより、文章に魂が籠り、相手に伝わるのです。
メールやラインでも自分の思いを相手に伝えることは可能ですが、デジタルの信号として送られる内容よりも、自分が紙に書いた文字が直接相手に届きやすいのは明らかです。
捨てられない手紙
最近では手紙をもらうようなことは非常に少なくなりましたが、人から頂いた手紙というものはすぐには捨てられないもので、ほとんどの方が何時までも取っておくのではないでしょうか。
今の時代のように便利なスマホが無かった時代には遠距離交際のカップル同士の交際ツールとして、手紙がとても大切な手段でした。
電話を掛ければ相手の生の声を聞くことが出来ますが、テレホンカードが無かった時代に公衆電話に大量の10円玉を握りしめて駆け込み、10円玉が全部無くなるまで長電話をしたことを覚えています。
相手の生の声を聞くことが出来る電話は案外大切な事が何も言えずにダラダラと話をして終わってしまうものですが、いざ手紙を書いてみますと思い切った告白が出来たりするものです。
そういった手紙を誰もが捨てることが出来ずに保管しているのです。
手紙の処分
仏教の最大の目的は悟りを得ることであり、そのための基本は欲望、執着、煩悩を捨てることですが、私達は経済社会の中でたくさんの物に囲まれて豊かな生活を満喫していますので、物に対しての執着は中々捨てることが出来ません。
特に大切にしている物に対しては人に取られたくない、もっといい物が欲しいという執着心がありますし、たとえば別れた元カレからもらった物や写真、手紙などについても、捨ててしまうと全ての思い出を捨てることはとても恐いことですし、もしかしてまた復縁することがあるかもしれないという諦めきれない気持ちのせいで捨てられないのです。
終活の目的で物を減らす時が手紙の処分のチャンスですから、そういう時には手紙の中身など見ることなしに思い切って捨てるべきです。
手紙のお焚き上げ
手紙には大切な人からの願いや思いが入っていたりしますので、ゴミとして捨てることにためらいを感じるのであればお焚き上げ供養で天にお還しする方法が安心です。
お焚き上げ供養には火の作用によって人の気持ちや思いを天に還すという大きな目的がありますから、思い出を捨てるということではなく、感謝の気持ちを天に捧げることなのです。