位牌のお焚き上げ

位牌のお焚き上げ

位牌とは亡き人の戒名、俗名、没年月日、享年などが彫ってある木の札で、亡き人の魂が天から降りて来る依り代として使われるもので、仏壇などにお祀りして日々の礼拝の対象となるものです。

地方の旧家などに行きますと仏壇の中に古いお位牌がずらりと並んで何とも言えない神妙な気分になるものですが、このような歴代続いた旧家であっても最近は跡取りが絶えてしまって空家になってしまったということがあり、家を解体する時に仏壇、そしてお位牌をお焚き上げ供養するような依頼が確実に増えているのです。

位牌はいつまでお祀りするものですか

位牌-開眼供養

位牌はそもそも法事をする時に必要なもので、亡き人の四十九日の法要の時に正式な位牌を準備して僧侶に開眼供養してもらい、以後は仏壇にお祀りして日々のお勤めをしながら一周忌、三回忌、七回忌などの法要の度に仏壇から取り出して雛壇である祭壇にお祀りするものです。

法事は50回忌まで行うのが通例で、最後の50回忌の法事のことを「弔い上げ」と言って最後まで法事を務めあげたことを祝う法事を行っていましたが、近年では33回忌で終わりとすることが多く、33回忌が済みましたらもう仏壇から取り出して雛壇にお祀りすることは無くなるのです。

最後の法事である弔い上げが済んだら家のご先祖様になられたということで、個別の〇〇様から〇〇家のご先祖様という大きな集合体になって、家の守り神になられるのです。

家の守り神になられるのですから、〇〇家先祖代々の位牌があれば良い訳で、個別の位牌は不要になりますが、そのまま祀り続けているのが現状です。

古い位牌の数が多すぎる時には

過去帳位牌の使い方

古い位牌が多すぎて仏壇から落ちそうになっている、掃除が出来ないなどでお困りでしたら、回出位牌(くりだしいはい)もしくは過去帳位牌に作り直すという方法があります。回出位牌や過去帳位牌にすれば多くの位牌を1つの位牌にまとめることが出来ますし、まとめた位牌はお焚き上げ供養いたします。

また33回忌或いは50回忌が済んだ位牌だけをお焚き上げ供養するという方法もあります。この場合には位牌に彫ってある亡き人の戒名、俗名、没年月日、享年などの貴重な情報は何かに控えておいてください。

ご先祖様からの流れは時の流れと共に自然と忘れ去られるものですが、伝えることが出来るのなら伝えておきたいものです。

昔は家系図を作ることが流行りましたが、家系図とは自らの身体のルーツを探ると共に、魂のルーツまでもひも解いてくれることがあり、今の自分が何を為すべきかということまで分かってくるものです。

位牌をお焚き上げに出す前に

お焚き上げ供養

位牌というものは亡き人の魂が籠ったものですから、そのままゴミに出すようなことは絶対にしてはいけません。お焚き上げに出す前には僧侶に魂抜きで拝んでもらうのが正式な作法ですが、それが出来ないならお焚き上げに出す前に日々のお勤めと同じくロウソクと線香を灯して合掌し、感謝の気持ちを込めて礼拝し、仏壇から降ろしたら一度丁寧にお掃除してから新しい半紙で包んで箱詰めいたします。