六大とは
六大とは真言密教の教えの真髄である「六大・四曼・三密」の一つで、大宇宙の根源を構成する地・水・火・風・空・識の六つの要素のことです。
宇宙の構成
私達は地球と言う星の上で生活していますが、無限に広がる広大なる大宇宙のほんの一部であり、大宇宙には神々の居られる空間や私達の持っている五感では感じることの出来ないエネルギーに満ち溢れています。
この大宇宙がどのような物質で出来ているのかという素朴な疑問に対して現代では最新の機材を使った科学的なアプローチがなされ、遠い星にまでロケットを飛ばして星の試料を持ち帰り、分析された結果として鉱物的な観点から或いは水や生物が存在するのかと言う研究が進められています。
宗教の世界では瞑想によって大日如来や大宇宙との合一が体験出来ることから、この宇宙の成り立ちについては六大で構成されていることを弘法大師は説いているのです。
六大の構成について
六大は地・水・火・風・空・識の六つの要素で成り立ちますが、五大に比べて「識」の要素が増えています。
弘法大師が六大を重視するのは、六大の要素全てを取り込んでこの身このままで仏になるという即身成仏につながっているからです。
地の要素
地とは大地、地球を表して、固くて動かないもの、流動的ではなくて抵抗のあるもののこと。
大地は実際は少しずつ動いているのですが、他の要素と比較して場合の性質のことです。
水の要素
流体で形を持たないもの、流動的な性質を持っていて、変化に対して適応する性質のことです。
火の要素
火は燃焼の作用ですが、太陽のようにエネルギーとしての火としては私達に明るさと温かさをもたらしてくれています。
温かい心は仏の心につながり、冷たい心は地獄や餓鬼の心につながります。
燃える心は情熱を表し、欲望も火のようにメラメラと燃え上がります。
星が成長したり爆発したりするエネルギーの源です。
風の要素
風は形を持たず目に見えず、流れて広がっていきます。
何物にも捉われないという意味では全くの自由であり、無限の広がりを持ち、何かに束縛されることがありません。
風は私達が生きていくのに必要ですが、時には静まりかえったり、荒れ狂うことがあります。
空の要素
空の要素は虚空の世界のことであり、色も形も何もない全てを包み込む空間のことです。
空間が無ければ物質が存在しませんので、空間が必要であり、宇宙という空間は無限に広がる空間です。
識の要素
宇宙の成り立ちが物質だけではなく、精神的なイメージの世界があるということで、識は神仏の世界の領域になるのです。
私達の住む地球の遥か彼方には無限に広がる大宇宙があり、私達の体の中でも宇宙と同じ仕組みが具わっていることから、私達は大宇宙につながる素質を持っているのであり、識の領域まで含めた修行の結果として即身成仏があるのです。