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在家とは
在家とは出家することなく家に居ながら仏道を実践し、仏教に帰依する人のことで、男性は優婆塞(うばそく)、女性は優婆夷(うばい)と言われます。
在家の役目
在家の信者の大きな役目は仏教の教団を支えることであり、男性の在家信者である優婆塞のサンスクリット語ウパーサカ(upāsaka)の語源が「仕える」「敬う」「礼拝する」などの意味であるために、出家者に仕え、敬い、礼拝して布施を施して功徳を積み、出家者は在家者に対して法を説くという関係になります。
在家の実践行
在家信者は仏法僧の三宝に帰依して五戒を守ります。
さらに八歳戒も進んで守り、布薩会に参加します。
三宝とは
三宝とは仏教に於ける三つの大切な宝のことで
- 仏陀…釈迦などの悟りを開いた仏のこと
- 法…仏陀が説いた教えで真理、真実、法則などの内容
- 僧…仏陀の教えを説いて広める者
これらの三つの宝に対して帰依します。
五戒とは
五戒は五つの戒から成り立ち、最も重要度の高い順から並びます。
- 不殺生戒(ふせっしょうかい)…生き物を故意に殺してはならない
- 不偸盗戒(ふちゅうとうかい)…他人のものを盗んではいけない
- 不邪婬戒(ふじゃいんかい)…不道徳な性行為を行ってはならない
- 不妄語戒(ふもうごかい)…嘘をついてはいけない
- 不飲酒戒(ふおんじゅかい)…酒類を飲んではならない
八斎戒とは
八斎戒とは仏教の在家信者が出家者に倣って一日だけ守る特別な生活規律のことです。
八斎戒は在家の五戒が基本になっていますが、五戒の中の「不邪淫戒」が「不淫戒」となり、他に身を慎んで過ごすための追加項目があって八つの戒になっています。
- 不殺生戒…殺さない
- 不偸盗戒…盗みをしない
- 不淫戒…性交を行わない
- 不妄語戒…嘘をつかない
- 不飲酒戒…酒を飲まない
- 不得過日中食戒…正午以降は食事をしない
- 不得歌舞作楽塗身香油戒…歌舞音曲を見たり聞いたりせず、装飾品、化粧・香水などで身を飾らない
- 不得坐高広大床戒…地面に敷いた臥具だけを使い、贅沢な寝具や座具でくつろがない
仏教の最初の在家信者
釈迦が悟りを開いてからしばらく後、ラージャーヤタナ樹の下で瞑想していると、タプッサとバッリカという二人の商人が麦菓子と蜜団子を寄進して帰依し、最初の在家信徒になったのです。
釈迦の最初の説法は「初転法輪」と言いますが、この時に五人の比丘が最初の出家者となって以来、出家者と在家信者共に増え続け、大きな教団になっていくのでした。
在家の修行法
仏教の修行は出家者だけが行う訳ではありません、在家の人でも仏教の修行が出来ます。
出家しないと修行できないと思っている人が多いですが、仏教は生活に役に立つ教えであり実践でもあります。
勤行
真言宗の勤行は毎日続ける読経供養の修行で、自らの修行のため、或いは他を利するため、或いは亡き人の供養のためなどの目的を持って行います。
唱えると共に自らの行いを反省し、正しい方向に向かうための礎として心に刻みます。
写経
写経とは仏教の経典を書き写すことで、今の時代のようにコピー機や印刷機が無かった時代には、自ら学んだり仏法を広めていくためには、経典を書き写すことが大切な修行でした。
このサイトでは写経のお手本A4用紙版が無料でダウンロードできます。
今の時代では願掛けや精神修行のために行われています。
光明真言
光明真言は23の梵字からなる真言で、真言宗や天台宗で法事や法要の時によく唱えられていて、在家の方でも日常的によく唱えるとても役に立つお経(真言)です。
瞑想法も入っています。