四曼とは
四曼とは真言密教の教えの真髄である「六大・四曼・三密」の一つで「四種曼荼羅」のことであり、諸尊の形象を描いた大曼荼羅、諸尊の持物(じぶつ)や印契(いんげい)を描いた三昧耶(さんまや)曼荼羅、諸尊の真言・種子(しゅじ)などを示した法曼荼羅、諸尊の威儀・動作を表した羯磨(かつま)曼荼羅のこと。
大宇宙に存在する万物の本体が六大だとしても、実際に私達が認識するのは目で見たり音で聞いたりなどして理解するのですが、六大をありとあらゆる感覚を駆使して理解、体験するためには、四種類の曼荼羅が役に立つのです。
四曼の内容である大曼荼羅、三昧耶(さんまや)曼荼羅、法曼荼羅、羯磨(かつま)曼荼羅について説明します。
大曼荼羅
仏の姿が描かれているのが大曼荼羅です。
上の写真は胎蔵界曼荼羅になり、仏の姿が視覚的に良く分かるように描かれています。
三昧耶(さんまや)曼荼羅
上の写真は金剛界曼荼羅の三昧耶会の部分ですが、仏を表す象徴で表された曼荼羅です。
仏の働きの特徴としての仏の誓願を表す仏具で表されているので、見たらすぐ分かるようになっています。
法曼荼羅
法曼荼羅は仏を表す種字(梵字)が描かれています。
種字は梵字で私達にはあまりなじみが無い文字なのですが、文字の形は仏の持つ特徴の象徴を表し、文字を発音する時の音が仏の持つ波長に合わさるようになっています。
羯磨(かつま)曼荼羅
羯磨とはカルマの意味であり、業、行いのことですから、仏の所作や行為を表している曼荼羅のことであり、それぞれの仏が実際の世界でどのようなかかわりを持っているかを表しており、立体曼荼羅のように仏の実際の活動を表しています。
大きい仏像が多数立体的に安置された空間の中に身を置くと、それぞれの仏たちの物凄いエネルギーが伝わってきて、自分のあまりの小ささがよく分かります。
私達は仏のエネルギーを受けた時に、何かをしないといけないという衝動に突き動かされるのです。
密教の修行とは
密教の究極は即身成仏であり、大日如来と一体となることですが、大宇宙と一体化することでもあり、大宇宙のありとあらゆる現れ方を体験してその本質にたどり着くことを意識する修行を続ければ、最終的には何も意識しなくても大宇宙の境地になってしまうのです。