馬頭観音とは

馬頭観音のイラスト

馬頭観音とは観音菩薩の変化身の一つで、忿怒の形相で頭に馬頭を乗せて胸元で馬口印を結びます。

六観音とは

六観音のイラスト

六観音とは六道に迷える衆生を救うために現れた六体の観音のことです。

六道と観音菩薩との関係は

馬頭観音は六道の中でも動物の世界である畜生道を担当する観音菩薩の変化身で、我が国では馬などの家畜の守護神として広く民間の信仰の対象となりました。

馬頭観音の特徴

僧侶の説明のイラスト

絵画や仏像では身体の色は赤く髪は逆立ち牙をむき、第三の眼を含めて前を睨み、八本の手には様々な武器を持ちながらも胸の前で馬口印を結び、頭に馬頭を乗せ、時には馬の背に乗ります。

密教では「馬頭明王」と呼ばれて胎蔵界曼荼羅の蓮華部院に属しています。

石仏では穏やかな表情で彫られていることがあります。

馬頭観音の持物

尼僧のイラスト

身体の左右に手が8本ある八臂像の時には左は上から金剛輪宝(こんごうりんぽう)、金剛棒(こんごうぼう)または水瓶(すいびょう)、念珠を持ち、右は金剛剣(こんごうけん)、金剛鉞斧(こんごうえつふ)を持ち、一番下は施無畏印(せむいいん)を結びます。

忿怒の相で外敵を倒す武器を多く持つのは俗世間に於ける混乱の世で生きていくために、強力な守護神としての役割を果たしているのです。

馬頭観音の真言

真言

馬頭観音の真言は

おん あみりと どはんば うんはった そわか

馬頭観音の功徳

功徳

馬頭観音を信仰すれば次のような功徳があります

  • 馬を護ってくれる
  • あらゆる動物を護ってくれる
  • 競馬必勝

馬頭観音の石仏

馬頭観音の写真

東海道、中山道、甲州街道、水戸街道、日光街道などの主な街道は古来より物資を運び、人の往来のために使われてきましたが、自動車の無い時代には移動速度が速くて力が強く、多くの荷を運ぶことが出来る馬が重要な交通手段として利用されてきました。

馬は人や荷物を運ぶための重要な役割を果たしていたので、馬が死ぬようなことがあった時には供養のために馬頭観音を祀り、そして街道を往来する馬が怪我や病気をしないように見守るためにも馬頭観音が街道沿いの至る所で祀られるようになったのです。

今の時代は自動車が街道を往来し、馬の姿を見ることはありませんが、馬が大切な役割を果たしていた時代の名残として今でも街道沿いに馬頭観音が祀られているのです。

やすらか庵のお焚き上げ場にも馬頭観音がお祀りされていて、頭に馬の冠を乗せてとても穏やかな表情で合掌しています。

競馬好きな人がお参りすると当たるという信仰もあるそうです、動物の世界の守護神ですから、ペットの健康、病気平癒、或いは供養のためにお参りしてみては如何ですか。