目次
十一面観音とは
十一面観音とは多くの観音菩薩の変化身がある中で、頭の上に十一の顔を持つ観音のこと。
六観音とは
六観音とは六道に迷える衆生を救うために現れた六体の観音のことです。
六道と観音菩薩との関係は
観音としては十一の顔を持つことで超越的な頭脳を持つことから、頭脳明晰ながらもプライドから来る闘争心故に戦いの世界を繰り広げる修羅道にての救済を担当しています。
十一面について
十一面観音の顔にはそれぞれの表情があって、意味を伴います。
顔の前に3体の慈悲面、右側に3体の笑狗牙上面、左側に3体の暴悪大笑面を配置します。
慈悲面
慈悲面は慈悲の心に満たされた表情です
瞋怒面(しんぬめん)
笑狗牙上面(しょうくげじょうめん)
白い牙を出して微笑み善行を見ている表情です。
暴悪大笑面(ぼうあくだいしょうめん)
暴悪大笑面とは煩悩の悪にまみれた衆生の悪行を大口を開けて笑い滅する表情です。
十一面観音の真言
十一面観音の真言は次の二つです
- オンロケイジンバラキリク(ソワカ)
- オンマカキャロニキャソワカ
十一面観音の功徳
十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経によれば、十一面観音を信仰すると十種勝利(じゅっしゅしょうり)と果報四種(かほうししゅ)の功徳があると言われています。
十種勝利とは
- 離諸疾病…病気をしない
- 一切如來攝受…一切の如来に受け入れられる
- 任運獲得金銀財寶諸穀麥等…金銀財宝、食物などに不自由しない
- 一切怨敵不能沮壞…一切の怨敵から害を受けることがない
- 國王王子在於王宮先言慰問…国王や王子が王宮で慰労してくれる
- 不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身…毒薬や虫毒に当たらず、悪寒や発熱等の病状がひどく出ない
- 一切刀杖所不能害…一切の凶器で害を受けることがない
- 水不能溺…溺死しない
- 火不能燒…焼死しない
- 不非命中夭…不慮の事故で死なない
果報四種とは
- 臨命終時得見如來…臨終の際に如来を見ることが出来る
- 不生於惡趣…悪趣である地獄・餓鬼・畜生に生まれることがない
- 不非命終…早く死ぬようなことがない
- 從此世界得生極樂國土…今生のあとに極楽浄土に生まれることが出来る