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遺骨の自宅保管
亡くなって葬儀、火葬が済んで骨壺に収骨した故人の遺骨は、家に持ち帰って後飾りと言われる白木の祭壇に、四十九日の納骨の日までお祀りすることになります。
お墓がある人は四十九日までの間は故人様の遺骨と共に生活することになるのです。
四十九日までの間
火葬場から家に持ち帰った故人の遺骨は四十九日までの間は、後飾りと言われる四十九日専用の白木の祭壇に故人の遺骨や白木の位牌などを飾って毎日お勤めします。
四十九日祭壇の飾り方
飾り付ける物としては
- 遺骨
- 白木の位牌
- 遺影
- 香炉
- 灯明
- リン
- 花
- 供物
- 仏飯
- お茶湯
- 枕団子
などです。
御供え物として特別なものは「枕団子」「積み団子」と呼ばれる白玉粉で作った団子です。
団子の数は6個、7個、10個、13個、49個など様々で、49個の場合には亡くなった日から1個ずつ増やしていって最後に49個にします。
お勤めの仕方
毎日お茶湯、仏飯を取り換えて線香とロウソクをつけて、真言宗の場合には毎日お看経(おかんき)という勤行をします。
故人が亡くなって四十九日の間はこの世とあの世の間の世界である中陰の世界を歩んでおられることから、無事に彼岸の世界にたどり着けますようにとの思いを込めてお勤めしまょう。
満中陰
満中陰とは故人が亡くなってからあの世の世界である彼岸にたどり着くまでの間の期間である「中陰」が終了しましたということです。
「白木の位牌」はこの時までですから塗りの「本位牌」を作っておいて満中陰の法要の時に僧侶に開眼供養してもらいます。
旦那寺の住職に来てもらって満中陰の法要をしてもらい、お墓がある場合にはその足でお墓まで遺骨を持っていき、住職立ち合いの上で読経をしてもらって納骨供養します。
お墓が間に合わなかった
お墓の区画は契約しているのだけど墓石が間に合わなかったということもありますし、墓地をどうしようかと悩んでおられる方もたくさん居られます。
早く納骨しないといけないという決まりはありませんから、焦ることなくゆっくりと探しましょう。
お墓を作るつもりだけど四十九日までに間に合わなかった人は一周忌や三回忌の法要に合わせて納骨すれば良いでしょう。
場合によってはもっと遅く七回忌や十三回忌などになって納骨することもあり、それまでの間は家にお遺骨をお祀りしたままになってしまいますが、全く問題ありません。
遺骨の自宅保管が増えている
近年では人口の減少や少子高齢化、核家族化が加速的に進んでいて、後継者の居ない方が爆発的に増えていますので、お墓が買えない、買っても無縁になってしまうために、自宅に亡き人の遺骨を保管している人が増えています。
遺骨の自宅保管は合法です
火葬された遺骨は焼骨と呼びますが、焼骨を自宅に保管していることは法的には全く問題ありません。
遺骨を墓地に埋葬する時の法律である「墓地埋葬法」は埋葬のための法律ですから、埋葬以前の自宅に保管することについては全く触れていません。
自宅にある遺骨は「埋葬」されていませんので法的な影響は全く受けません。
遺骨を自宅に何十年も保管していても全く問題ありません。
遺骨を長く保管していたらカビが生えませんか?
骨壺の中の遺骨にカビが生えるかどうかについては骨壺の蓋がしっかりと閉っているかどうかにもよります。
最近の骨壺は割と密閉性が良いので何十年と保管していても中の遺骨にカビが生えるようなことはありません。
しかし中を時々開けてみるようなことはありませんので、心配でしたらおすすめの方法があります。
それは骨壺の蓋と胴体の間にビニールテープを2周ぐらい巻いておくことです。
こうしておけば隙間が完全に無くなりますので、湿気てしまうようなことはありません。
お墓の中に納骨する時もこのようにすれば骨壺に水が溜まるようなことはありません。
遺骨を仏壇に入れることは悪いことですか?
昔は遺骨を仏壇に祀るということは良くないことだと言われていて、それは仏壇というものは本尊と先祖の位牌を祀る所であり、遺骨を祀る所ではないという理由に依ります。
遺骨はお墓の納骨するものという暗黙の了解があることや、そもそも仏壇が遺骨を祀るように作られていないことにもよります。
同様に昔からペットの遺骨を祀ることも良くないと言われていて、動物の世界は私達人間の世界よりも低いからだという理由なのですが、低い世界の霊的な影響を受けてしまうということです。
しかし現実的には後継者が居ないからお墓は作れないし、いずれ散骨か樹木葬にと思っていながらの自宅保管ということになり、いつも仏壇に手を合わせるからということ、そしてご先祖様と一緒なら寂しくないだろうからという理由などで仏壇にお祀りしていることはやむを得ないのではないかと思います。
可能であれば仏壇の中に入れてしまうのではなくて、一段下の経机の上などにお祀りすれば不自然ではないと思います。
骨壺があまりにも大きすぎて違和感があるのですが?
骨壺の大きさは関西では5寸(約直径15cm)程度、関東では7寸(約21cm)程度で、それに桐箱やカバーが掛かっていたら巨大なサイズに見えてしまい、どうしても違和感を感じるという方がたくさんおられます。
またあまりの圧迫感に霊的なものを感じてしまうという方もたくさん居られます。
骨壺というものは、お墓の中にある物というイメージがあまりにも強いことにもよります。
そういう時には粉骨供養をすれば大きさが半分以下になりますので、自分のお気に入りの入れ物に入れたら随分と感じ方が変わるのです。
粉骨供養とは遺骨を2ミリ以下の粉末にすることで、役所の申請などは全く不要です。
長い期間安置しているのなら、そして将来的に散骨供養や樹木葬などを考えているのなら、粉骨供養はおすすめの方法です。
自宅保管の遺骨はどうしたら良いですか?
自宅に遺骨をお祀りすることが問題無いにしても、何時かは安住の場所に連れていって差し上げる必要があります。
後継者が居なくても利用できるという事がポイントで、墓じまいする必要があるのなら、ご先祖様の遺骨も含めて自分の将来まで考えておく必要があります。
散骨供養…海の散骨、山の散骨などがあり、自然に還り自由になれます。埋葬ではありません、お墓と違ってお参りするようなことはありません。
樹木葬…後継者が不要でも契約出来て、年間管理費不要。埋葬なのでお参りが出来る。