経机とは
経机の由来
経机の本来の姿は釈迦の説いた法を広める目的で経典を写すために使われた机が本来の経机ではないかと思います。
今でこそ印刷された経典がお金を出せば買えますし、スマホで検索すればすぐに経典の内容が手に入る時代ですが、そういった便利な物が無い時代に仏法を広めることに命をかけて人生を捧げた人達が寝る時間も惜しんで経典を書き写した机があったのです。
経机の目的
経机は仏教の経典をのせるための机であり、仏教では三宝と言われる「仏法僧」の三つの宝物の内、仏が説いた教えである「法」を記されたものであり、日々の勤行で唱えるものであることから、仏教徒としては大切にするべき経典を、仏の世界の表現である仏壇の前に置かれた経机にのせることによって仏にお仕えするのです。
在家の経机の場合には香炉、ロウソク立て、おりんなどの仏具を置くための机として使われることが多く、引き出しにはロウソクや線香の予備、仏具の掃除道具、数珠、経本などを入れているようです。
経机の種類
経机には黒塗りに金縁のものや黒檀などの唐木を使った物があり、白木で作られた物もあります。
宗旨宗派によっての形の違いもありますが、仏壇とセットにして買うことが多い事から、仏壇の形式や材質に合った物が選ばれます。
亡くなった人のための四十九日の後飾りの祭壇には簡易的な折り畳みの白木の経机が準備されます。
白木の経机
白木の経机とは亡くなった人の火葬後に収骨された遺骨を納めた骨壺や位牌、遺影などを家でお祀りするための後飾りの祭壇に含まれているもので、べニア板製で折り畳み式の簡易的な経机です。
香炉や線香立て、ロウソク立て、写真立て、御供え物などを置くために使われています。
白木の経机は亡き人のためだけに使い、何時までも使うものではありません。
白木の経机の処分
白木の経机は葬儀が済んで火葬した故人様のお遺骨を骨壷に入れて持ち帰り、骨壺に入ったお遺骨と共に自宅の後飾りの祭壇に四十九日の法要があるまで使います。
四十九日の法要の後に遺骨をお墓に納骨したら白木の経机は不要になりますので、後飾りの祭壇と共に引き取るサービスをしている葬儀社が多いです。
白木の祭壇自体は魂が入っていませんので、燃えるゴミとして処分して構いませんが、寸法的に粗大ごみになる可能性がありますので、自治体の規約に従って適正に処分して下さい。
白木の経机のお焚き上げ
亡き人の供養のために使った物だからゴミとして捨てるには忍びない、葬儀社が引き取ってくれない、お墓が無いために納骨出来ていないから何時までも家に置いたままにしてある、などの理由で普通に捨てることが出来ない場合にはお焚き上げ供養を利用しましょう。
お焚き上げ供養では亡き人のために使った物を天まで届けて差し上げることが出来ますので、粗末になることがありません。