化身とは
化身とは仏が衆生を救済するために姿を変えてこの世に現れることで変化身(へんげしん)とも言い、人の形で現れたのが釈迦仏と言われます。
三身について
三身とは大乗仏教に於ける仏の三種類の出現の仕方で、法身(ほっしん)、報身(ほうじん)、応身(おうじん)のことです。
法身とは
法身とは宇宙の原理、真理そのものであり、宇宙そのものに仏性(ぶっしょう)があるということで、毘盧遮那如来が法身としての仏になります。
宇宙は過去から未来にかけて在り続ける存在であり、宇宙そのものが仏であるとして、無限に広がる神秘世界の支配者に仏を見出したのです。
報身とは
報身とは修行をすることによって仏となる姿で、仏としては阿弥陀如来になります。
宝蔵菩薩が阿弥陀如来の前身と言われ、悟りを得て如来になるために48の願いを立てたと言われています。
菩薩とは完全なる悟りを得た如来になるために修行している衆生のことですからまだ悟りを得ていませんが、如来に近づいている段階で、自らの修行はもちろんのこと、衆生済度の実践が必要になります。
阿弥陀如来が宝蔵菩薩であった時に立てた衆生済度の願いは我が国の法然や親鸞に影響を与えて浄土教に発展し、日本の仏教思想に多大なる影響を及ぼしたのです。
応身とは
応身とはこの世に於いて悟りを得て仏になった姿のことで、仏としては釈迦如来になります。
応身と化身は同じ意味だと考えられています。
チベット仏教では優れた宗教指導者を仏の化身として崇め、その宗教指導者が没すると輪廻転生の考えによって生まれ変わりの人物を探し出して宗教者の地位を継続させる転生活仏の制度が今でも続いています。
不動明王
不動明王は大日如来の化身と言われ、お不動さん、不動尊、大日大聖不動明王、無動明王、無動尊などと呼ばれています。
大日如来は宇宙の根源を司る仏としての役割があるために衆生救済にまでは手が回らないのが実情ですが、そういった大日如来の立場を理解して補佐する役割として選ばれたのが不動明王であり、衆生の世界のすぐ傍に居て衆生済度を日夜実践しているのです。
私達の立場としても大日如来のような高尚な仏に願い事をするのは頼みにくいものですが、不動明王様のように身近に居る仏であれば思わずすがってしまうのが人情なのです。