目次
枕団子とは
枕団子とは亡くなった方の枕元に供えるために、うるち米で作った団子のこと。
枕団子の由来
仏教的な枕団子の由来としては、釈迦が悟りの世界に入る時に菩薩が香飯を捧げたけれど、食べることなく悟りの世界に入ったために香飯の代りとして供えたという故事によるものです。
香飯とは仏に捧げるための御飯のことです。
悟りを得た方への供物という意味では納得できる話ですが、悟りを得た釈迦は入滅した訳でも死んだ訳でもありませんので、我が国で行われている死者に手向ける枕団子とは関係の無い話だと思います。
枕団子の理由
死というものは、あの世の世界への旅立ちであることから、死者には戒名を付けて仏門に入門してもらい、旅をするための白装束を着せて杖傘を持たせ、頭陀袋には三途の川の渡し賃としての六文銭まで入れる念の入れようですから、あとは食べ物があれば良い訳で、死者には携帯食としての団子を持たせるのです。
死後の世界に旅立つ人がお腹が空かないように何か食べ物を持たせたい、すぐに食べることが出来る物を差し上げたい、という気持ちが枕団子に託されているのです。
また枕団子には旅をしている時に世話になる神仏や、出会った人、困っている人への施しをすれば徳になるという意味もあります。
今の時代、コンビニやスーパーに行ってスイーツのコーナーに行けば、おいしそうなスイーツがたくさんあって、どれを買おうかと迷ってしまいますが、コンビニやスーパーの無かった時代には、旅人たちは峠の茶屋でお茶を飲みながら団子を食べることが最高の贅沢だったのです。
米から出来た白くてもちもちした食べ物はどれだけ多くの人の心を癒してきたことでしょう。
亡き人の心を癒し、私達も心温まる団子なのです。
枕団子の数
枕団子で供える団子の数としては6、7、10、13、49などの数があり、それぞれの意味があります。
団子の数が6
地蔵菩薩には六道の入り口を守り、三悪趣と言われる地獄、餓鬼、畜生道に堕ちないように導く役目があるそうです。
お墓の入り口に六地蔵が祀られているのは、お墓が六道の入り口につながっているからだと言われています。
団子の数が7
六道の輪廻転生の世界から抜け出して極楽浄土に生まれ変わることを願っての7だという説です。
また死後の世界は四十九日までは一週間の単位で仏に導いてもらうということから来ているとも言われています。
団子の数が10
死後に行われる死者に対する十王の審判があるので、裁判官である十王に対しての御供え物であるという説です。
団子の数が13
十三の仏の集合体である十三仏が順番に死者を浄土まで案内するという信仰があり、七回忌や十三回忌などの法事を行う根拠になっています。
故人を浄土に導く十三仏に対しての御供え物ということになります。
団子の数が49
四十九日かけて三途の川を渡りあの世の世界である彼岸に到達することから、亡くなった日に1つ団子を作って、一日ごとに1つずつ増やしていき、最後に49個にするような方法の地域もあります。
枕団子の作り方
枕団子は水で練って丸めて茹でるか蒸すだけ、とても簡単にできますので是非挑戦してみて下さい。
茹でる方法
6個分の枕団子の作り方です
材料:上新粉80グラム、お湯80ミリリットル
- 鍋に水を入れて沸かす
- ボウルに上新粉を入れて熱湯を少しずつ入れながら混ぜる
- 木のへらなどで耳たぶくらいの固さになるまでこねる
- まな板の上で棒状に伸ばす
- 6等分に切り分けてから一つずつ丸める
- 丸めたものを鍋で湧かしたお湯の中に入れる
- 団子が浮き上がってきたらザルですくい取る
- そのまま乾燥させる
蒸す方法
6個分の枕団子の作り方です
材料:上新粉80グラム、お湯80ミリリットル
- 蒸し器に水を入れて沸かす
- ボウルに上新粉を入れて熱湯を少しずつ入れながら混ぜる
- 木のへらなどで耳たぶくらいの固さになるまでこねる
- まな板の上で棒状に伸ばす
- 6等分に切り分けてから一つずつ丸める
- 丸めたものを皿に置く
- 皿のまま蒸し器に入れて5~10分程蒸す
- 蒸し器から取り出してそのまま乾燥
御供の終わった枕団子は
故人様の火葬までに供えられた枕団子は斎場に向かう前の最後のお別れの時に棺桶の中の故人の手元に近い所に入れて差し上げます。
亡き人の旅立ちに際してお腹が空いた時に食べることが出来るように持たせて差し上げるものです。
四十九日までの間に一つずつ増やしていく方法の時には古くなってもそのままにしておきます。
四十九日の一週間毎に7個ずつ供える場合には、下げた団子は古くなければ皆で頂くようにします。