モノ作りは日本人の魂
私達日本人が今のように豊かな国になったのは、戦後の廃墟から立ち上がった人達のたゆまぬ努力の成果であり、自分達は貧乏で苦しい生活をしても子や孫には楽をさせたいと願う心があったからなのです。
無い物は作り出せ
昭和の時代に戦争、そして敗戦を経験した80歳以上の世代の人達は皆、食べる物も満足に無いという苦しい時代を経験し、大切な家族や住む家までも戦争で無くしてしまった多くの人達が路頭に迷う有様でした。
お国のために戦った人達は敗戦によって心の中まで打ち砕かれ絶望しながらも、平和で安心して暮らすことが出来る世の中の到来を夢に描いて、とにかく復興のためにと必死の思いで寝る間も惜しんで働いたのです。
当時はあらゆる物資が不足している時代ですから、無い物は自分達で作り出すしか方法がありません。
今の時代のように自由にモノが買えるという状況ではなく、身近にある物で生活に必要な作り出すという創意工夫の魂に動かされていた時代なのです。
リサイクル、リユースは当たり前、物は無くともガムシャラに働けば必ず何とかなるという強い信念を皆で共有することが出来た時代でした。
MADE IN JAPANが何処にも無い
今の時代のネット通販は送料無料、翌日配送などの便利さが受けて急激に成長し、検索すれば世界中の商品が家の中で買えて、すぐに宅配便で届くようになりました。
今の時代さすがに私もネット通販を利用していますが、日用品や家電製品などを探していますと、たくさんの物が出てきますが、日本製の物がほとんど無いことに気が付きます。
そして日本製の物があったとしても他国で製造されている商品と比較してみますと日本製は値段が高く、性能が落ちることが多いのです。
一昔前までは「MADE IN JAPAN」は高品質の証であり、私達の生活の中にもたくさんありましたが、今ではたとえ日本のメーカーであっても、物自体は外国で作られた製品ばかりで、純粋な日本製品は少なくなってしまいました。
モノを作らなくなった日本人
今の時代の若い人達が就職先として目指す職業は介護、福祉、イラストレーター、プログラマーなどのサービス業ばかりで、生産業やモノ作りを目指す人が少なくなってきた背景には、我が国の人口の減少や少子高齢化の進行が深く関わっています。
海外での安い労働力や工場誘致の優遇制度を利用してモノ作りの現場を海外に移転し、蓄積した技術を流出した結果として我が国のモノ作りが衰退して競争力が無くなり、海外の資本に呑み込まれていく企業が後を絶ちません。
私達日本人は手先が器用で、五感の感覚が優れ、常に工夫をし続けることなどでは他の国民に対して優れた感性を持っていることがモノ作りのアイデアや品質に生かされていたことを思えば実にもったいないことなのです。
農業、林業、漁業などの一次産業では地産地消が原則であり、地元で採れたものを地元で消費することがバランスの取れた社会を作り出しますので、モノ作りは地域を支える基本なのです。
自分で作る習慣
自分で物を作ってみるとモノ作りの工程が意外と楽しくてハマってしまうものです。
ちょっとした部屋のリフォームや棚を作ったり壁紙を貼ったりなどはユーチューブの動画がたくさんアップされていて、詳しく解説してくれていますので、大抵の情報はネット経由で入手できるのです。
モノ作りは趣味として楽しめますし、何よりも諸外国の人達と比較して手先の器用な日本人は繊細なモノを作る能力に長けているのですから、日本人が作るモノはとても使い心地がよくて壊れにくく、独特のこだわりがあり、気遣いや心遣いの精神が隠されているの事を再認識する必要があります。
私達の祖先は大切に使った道具には魂が宿って付喪神(つくもがみ)になると信じ、魂の宿るモノ達と共に暮らしてきた民族です。
自然の中には八百万の神々が居て大切に祀りながらも神々から自然の恵みを頂き、必要以上に自然を壊さず最小限の恵みを無駄なく使いきることで生活の智慧を築いてきたのです。
私達の住む家にしても四季に対応して先人達の知恵と工夫の詰まった地産地消の材料で作られた家だったのです。
身の回りの物を自分で作ってみませんか?
自分で作ったモノは世界に一つしかない特別なモノになりますよ。
やすらか庵のモノ作り
相手に何か伝えようと思ったら、心の籠った仕事をしたいと思ったら、手作りが一番です。
お店で買ったケーキはもちろんおいしいですが、手作りのケーキを頂いたら、相手の気持ちまで頂いているみたいでとても嬉しいものです。
やすらか庵では次のようなものを手作りしています
その他には毘沙門堂や本堂の内装なども手作りで御座います。
これからの日本に必要なことは、モノ作りの灯を消さない事、一人一人の単位でモノ作りを楽しむことです。
今の日本は外国から物を買って消費するだけの国になろうとしています。
このままでは国力が落ちるばかりで皆が貧しくなり、国際的にも力のない後進国になってしまいます。
どんな時代が到来しても、自分と家族の生活が平和で楽しくある様に、私達一人一人が努力しましょう。