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文殊菩薩とは
密教の世界観を表す曼荼羅には金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅がありますが、胎蔵界曼荼羅に於いて文殊菩薩は、美妙なる吉相を持つ者という意味です。
胎蔵界曼荼羅の文殊菩薩の位置
胎蔵界曼荼羅での文殊菩薩は般若の智慧を表し中台八葉院では南西の方向に位置します。
文殊菩薩の特徴
文殊菩薩は蓮華座の上に座して、瓔珞や宝冠などの飾りなどを付けています。右手に経典、左手に三鈷杵を立てた蓮茎を持つ姿で描かれています。
釈迦の脇侍として普賢菩薩と共に祀られることが多く、その場合文殊菩薩は師子に乗り、文殊菩薩は6本の牙を持つ白い像に乗って合掌している姿が多い。
釈迦十大弟子とも親しく仏典結集にも関わったとされる文殊菩薩は実在の人物として、智慧の菩薩として敬われています。
文殊菩薩の梵名
mañjuśrī マンジュシュリー
「マンジュシュリー」は、美妙なる吉相(または妙なる福徳)を持つ者という意味です。
文殊菩薩の印と真言
文殊菩薩の印
これは行法の時の印で、曼陀羅に描かれている姿とは違います
文殊菩薩の真言
真言…オン・アラハシャ・ノウ
文殊菩薩の功徳
文殊菩薩は般若の空を説くことから、智慧の象徴として崇拝され、十三仏にも登場することで、死後の世界の案内役も司ります。
智慧を授かる
文殊菩薩は釈迦如来の脇侍として普賢菩薩と共にお祀りされることが多いですが、特に智慧を授かるという意味では学業や受験の守り神としての役割があります。
学業成就の神として祀られている寺院にお参りして真言である「オン・アラハシャ・ノウ」を唱えれば御利益があります。
受験のお守りとしても文殊菩薩は有名です。
死後の世界の案内
文殊菩薩は死後の世界を案内するという十三仏にも登場し、初七日の不動明王、二七日の釈迦如来の次の三七日の案内役を果たし、次の普賢菩薩につなぎます。
不動明王は最初に出てきて悪を払い、正義の剣で死者を導き、釈迦如来は実在の人物として如来になった最初の仏として死後の世界を案内し、文殊菩薩はその智慧で死者を正しく導く役目です。
死後の世界では白と黒、善と悪のように、どちらかを選択する場面がいくつも出てきますので、正しい智慧を持つことは大切なことなのです。
十三仏とは人の死後33年間までを案内する仏のことで、死後の世界の裁判官として中国で古来より信仰されていた十王の思想が発展したと言われています。
文殊菩薩は人の死後、三七日を案内する仏になります。
- [十三仏] [裁判官] [法事] [命日から]
- 不動明王 秦広王(しんこうおう) 初七日 7日目、6日後
- 釈迦如来 初江王(しょこうおう) 二七日 14日目、13日後
- 文殊菩薩 宋帝王(そうていおう) 三七日 21日目、20日後
- 普賢菩薩 五官王( ごかんおう) 四七日 28日目、27日後
- 地蔵菩薩 閻魔王 (えんまおう) 五七日 35日目、34日後
- 弥勒菩薩 変成王 (へんじょうおう) 六七日 42日目、41日後
- 薬師如来 泰山王( たいざんおう) 七七日 49日目、48日後
- 観音菩薩 平等王 (びょうどうおう) 百か日 100日目、99日後
- 勢至菩薩 都市王 (としおう) 一周忌 2年目、1年後
- 阿弥陀如来 五道転輪王(ごどうてんりん) 三回忌 3年目、2年後
- 阿閦如来 蓮華王 (れんげおう) 七回忌 7年目、6年後
- 大日如来 祇園王 (ぎおんおう) 十三回忌 13年目、12年後
- 虚空蔵菩薩 法界王( ほうかいおう) 三十三回忌 33年目、32年後