虚空蔵菩薩とは

虚空蔵菩薩

虚空蔵菩薩は梵名をアーカーシャガルバ(आकाशगर्भ [Ākāśagarbha])と言い、明けの明星は虚空蔵菩薩の化身とされて、明星天子、大明星天王などと呼ばれることもあります。

虚空蔵菩薩の由来

梵名のアーカーシャガルバは「虚空の母胎」という意味を持ち、その漢訳が「虚空蔵」であることから、「虚空」とは宇宙につながる大空のような空間のことで、「蔵」は入れ物を意味し、広大な宇宙のような無限の智慧と記憶と慈悲を持った菩薩であります。

虚空蔵菩薩の姿

虚空蔵菩薩の姿としては右手に宝剣、左手に如意宝珠を持つものや、法界定印の掌中に五輪塔を持つもの、右手は掌を見せて下げる与願印で左手に如意宝珠を持つものなどがある。第三の目としての三つ目の像容は求聞持法の本尊になります。

虚空蔵求聞持法

虚空蔵求聞持法

虚空蔵求聞持法とは決められた作法に則って虚空蔵菩薩真言「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか」を1日1万回ずつ100日かけて100万回唱えるという修行法で、この修行法を成満した者はあらゆる経典を瞬時に理解して記憶する能力が得られるという修行法ですが、成満することが大変に困難で、一歩間違えば発狂、死と隣り合わせの荒行です。

弘法大師空海も若い時に大学を飛び出して求道の道を歩みましたが、高知の室戸岬の洞窟、御厨人窟に籠もって虚空蔵求聞持法を修したという話は有名です。

山岳修行の日々を過ごし、高知の室戸岬の崖上に座禅を組み、虚空蔵求聞持法を修行していた時に明けの明星である金星が口の中に飛び込んでくるという不思議な体験をしました。

虚空蔵菩薩の功徳

虚空蔵菩薩は智慧を授かる菩薩として古くからの信仰を集めています。

十三詣り

虚空蔵菩薩には古くから「十三詣り」という習慣がありますが、十三歳になった少年少女が虚空蔵菩薩を本尊とする寺院に参って虚空蔵菩薩の智慧を授かるという信仰で、今でも京都嵐山の法輪寺などの寺院では十三詣りが続けられています。

虚空蔵菩薩を信仰すれば智慧が授かります。

虚空蔵菩薩と十三仏

十三仏としての虚空蔵菩薩

虚空蔵菩薩は仏法の修行に必要な智慧を授け、菩薩としては自らも如来を目指す修行の途中にあって死者を悟りへと導く役割を果たしているのです。

十三仏来迎図は真言宗の法事でよく掛けられる掛け軸ですが、三十三回忌までの死者の案内役としての十三体の仏の中でも一番最後に出てくるのが虚空蔵菩薩なのです。

十三仏の最後が大日如来ではなくて虚空蔵菩薩であるのは、私達に対して完成された姿を目指すのではなくて、共に修行する姿を見せることによって私達を勇気づけようとされているのです。

十三仏の写真

十三仏とは人の死後33年間までを案内する仏のことで、死後の世界の裁判官として中国で古来より信仰されていた十王の思想が発展したと言われています。

虚空蔵菩薩は人の死後三十三回忌を案内する仏になります。

  • [十三仏]   [裁判官]         [法事]  [命日から]
  • 不動明王  秦広王(しんこうおう)   初七日 7日目、6日後
  • 釈迦如来  初江王(しょこうおう)   二七日 14日目、13日後
  • 文殊菩薩  宋帝王(そうていおう)   三七日 21日目、20日後
  • 普賢菩薩  五官王( ごかんおう)    四七日 28日目、27日後
  • 地蔵菩薩  閻魔王 (えんまおう)    五七日 35日目、34日後
  • 弥勒菩薩  変成王 (へんじょうおう)  六七日 42日目、41日後
  • 薬師如来  泰山王( たいざんおう)   七七日 49日目、48日後
  • 観音菩薩  平等王 (びょうどうおう)  百か日 100日目、99日後
  • 勢至菩薩  都市王 (としおう)     一周忌 2年目、1年後
  • 阿弥陀如来 五道転輪王(ごどうてんりん) 三回忌 3年目、2年後
  • 阿閦如来  蓮華王 (れんげおう)    七回忌 7年目、6年後
  • 大日如来  祇園王 (ぎおんおう)   十三回忌 13年目、12年後
  • 虚空蔵菩薩 法界王( ほうかいおう) 三十三回忌 33年目、32年後

虚空蔵菩薩の印と真言

虚空蔵菩薩の印と真言は偉大なる智慧の獲得につながります。

虚空蔵菩薩の印

虚空蔵菩薩の印

虚空蔵菩薩の真言

虚空蔵菩薩の真言には二通りあります。

  • 「オン バザラ アラタンノウ オンタラク ソワカ」
  • 「ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャ マリボリソワカ」