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三鈷の松とは
高野山の伽藍には三本の葉がある「三鈷の松」が生えていますが、この松には弘法大師空海が修行道場の地として高野山を選んだ理由が隠されています。
秘められた観光スポット
三鈷の松の周辺では必ず下を向いて探し物をしている人がいますが、これは三本葉の松の葉を探している人達です。
通常の松の木の葉は2本で、三鈷の松の葉も2本であることが多いのですが、時々3本葉が見つかることがあって、これを見つけたらとても運が良いと言われているのです。
観光ガイドや本、テレビなどで紹介されることもあって今では多くの人が知っていて、松の木の下でこのように探し物をしている人の姿が絶えません。
三鈷とは
三鈷とは三鈷杵(さんこしょ)のことで、金剛杵(こんごうしょ)と呼ばれる密教の法具の一つであり、煩悩を打ち砕くための武器であり、その形状によって独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵がある中で、両端がそれぞれ三つに分かれた法具の事です。
三鈷の松の由来
時は806年、弘法大師空海が留学僧として遣唐使の船に乗って唐に渡り、当時の都長安にある青龍寺の恵果阿闍梨から密教の教えを全て受けて日本に帰るために明州の浜に居た時のことです。
「日本で密教を広めるのにふさわしい地を示したまえ」との祈りを込めて東に向かって三鈷杵を投げたら紫の雲に乗って飛んで行ったそうです。
この三鈷杵を投げて10年後に日本の地で、高野、丹生都比売(にうつひめ)の両明神に導かれて、この三鈷杵を発見したのが高野山の地であり、松の木に掛かっていたことから「三鈷の松」と言われるようになり、三枚葉の松になったそうです。松の木に掛かっていた三鈷杵は「飛行三鈷杵」(ひぎょうさんこしょ)と称されて現在でも金剛峯寺に重要文化財として厳重に保管されているのです。
現在の三鈷の松は当初の松から七代目であると言われていますが、万一枯れるようなことがあっても植え替え出来るように次なる苗木を育てているそうです。
三鈷の松で幸運を
弘法大師空海の時代には高野山に上るにしても歩いて登る険しい道しかありませんでしたし、三鈷の松周辺も木々が生い茂る森だったはずで、三鈷の松からは不思議な光を放っていたそうですから、松の木と言えども大変に有難い神々しい木として存在していたのです。
今の時代は車や電車で何の苦労もすることなく高野山に参拝出来ますが、1250年も昔からそこの場所に代々在り続ける松の木に出会えるだけでも弘法大師のご縁が授かるのです。
三鈷の松は弘法大師空海を高野山に導いた松であり、飛行三鈷杵にあやかって三本葉の松葉を見つけて頂いたら幸せがやってくると言われています。
三鈷の松は頂いても良いですか?
通常は寺院に参拝したら境内で自生している植物や花、木などは持ち帰ってはいけません。
しかし高野山の三鈷の松の木の下では観光客の人達が明るく賑やかに探しています。
松の木の周りには柵がしてありますので、中に立ち入ってはいけませんし、木に登ってもいけません。
但し地面に落ちている松の葉は頂いて構いません。
毎日たくさんの参拝の方が来られますので、無いだろうと思ったら案外見つかるものです。
ほら、松なのに三本葉がありますよね。
幸せゲットです。
三鈷の松をお守りに
三鈷の松が見つかったら大切に持ち帰り、紙に包むなどしてお守りにして、財布に入れればお金が増えるそうですから金運上昇になり、ハンドバックなどに入れれば旅行安全の御守になります。
御守袋の作り方
御守袋を自分で作ってみましょう。
紙はコピー用紙か奉書紙、和紙などが適していますので、三鈷の松が入る程度でしたら板ガムの包み紙程度の大きさがあれば十分です。
最後に「御守」「三鈷の松御守」などの文字を書いて大切にしましょう。
高野山に行った旅の良き思い出にもなります。
三鈷の松の場所
三鈷の松は根本大塔や金堂の近くで、中門から入りますと金堂の左奥で、御影堂の手前にあり、赤い柵がしてありますのですぐに分かります。
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子供さん連れの時には、弘法大師の飛行三鈷杵の話をしてから探しに行けば大いに盛り上がります。
見つけたら物凄いラッキーであることを話せば、見つけたら子供さんにとって高野山が良い思い出になるはずです。
見つけるコツは三鈷の松から少し離れた所を探してみることで、近い所は皆さんが血眼になって探しますので、案外少し離れた所に落ちているものです。