目次
密教法具とは
密教法具とは密教の護摩や祈祷の修法時に使われる仏具のことで、煩悩を打ち砕く、大日如来の智慧を獲得、仏の供養などの様々な目的があって使用されます。
五鈷杵
五鈷杵とはチベット仏教や日本の真言宗、天台宗、禅宗などで用いられる金剛杵と言われる法具の一種で、煩悩を滅するために使われる両側が五つに分かれた宗教用具のことです。
五鈷杵は行者と大日如来が合一するための法具であり、大日如来の五つの智慧を表します。
五本の鉾は大日如来、阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来の「五仏」の智慧を表す法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智の「五智」を表しています。
三鈷杵
三鈷杵とは金剛杵と言われる法具の一種で、煩悩を滅するために使われる両側が三つに分かれた宗教用具のことです。
三鈷杵は行者と大日如来が合一するための法具であり、行者の身口意の三業が大日如来の身口意の三密につながるためのものです。
独鈷杵
独鈷杵とは金剛杵と言われる法具の一種で、両端が尖った棒状の宗教用具です。
独鈷杵は行者と大日如来が合一するための法具であり、唯一の法界であることを表し、如来の大いなる智慧と、金剛のように硬い武器で煩悩を打ち破るための武器の象徴です。
金剛鈴
金剛鈴とは密教の修法の時に諸尊を驚覚し歓喜させるためにならす鈴のこと。
先端の柄が五鈷・三鈷・独鈷・宝珠・塔の形をした五種があります。
金剛盤
密教の修法の時に金剛鈴と独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵を置く台であり、蓮華をかたどった三角形で下に三脚が付いています。
火舎香炉
火舎香炉とは密教の修法の時に仏菩薩を香で供養するための道具で、檀に置かれた一面器と言われる法具の中央に配置して三脚付の鍔(つば)形の縁をもつ火炉(かろ)、輪形の甑(こしき)、蓋の順で重ねられています。
上部には宝珠形紐(ほうじゅがたちゅう)をのせて、雲文の煙出しの孔が空いています。
六器
密教の修法の時に使う小型の椀で、法要の時に迎えた主尊の供養のために用い、火舎香炉を中心として左右に3つずつ並べて内側から閼伽器(あかき)、塗香器(ずこうき)、花鬘器(けまんき)の3つを左右に並べます。
閼伽、塗香、花鬘の代りに樒の葉を使う時には
- 閼伽…1枚
- 塗香…1枚
- 花鬘…5枚を花形に並べる
このような形で代用しますので、毎日修法する場合には樒の葉をバケツに挿しておいて必要な分だけ切って使います。
仏飯器
密教の修法の時に使う高台の器で炊いたご飯や洗米を主尊に供えるための器。
華瓶(けびょう)
密教の修法の時に使う華瓶で「けびょう」と言います。
灯明
密教の修法の時に使う灯明は本来は油を皿に入れて皿の端から出した芯に点火するものです。
洒水器
密教の修法の時に使う壇上や結界された場などを浄水で清める道具。
塗香器
密教の修法の時に使う行者の身口意を清めるための手や身体に塗る香の塗香を入れる器。