守り神とは

守り神のイラスト

守り神とは土地や家、個人の健康や財産、安全などを守る目的で信仰されている神のこと。

土地の守り神

狩場明神

 

土地を守る神としては産土神(うぶすながみ)が有名で、人が生まれたその土地の守護神のことで、生まれてから死ぬまでの間守り続け、その人が引っ越しても一生守ってくれると言われています。

我が国には古来より山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)という思想があり、自然の中のありとあらゆるものが仏になるという考えであるが故に、八百万(やおよろず)の神と言われるように私達の周りにはたくさんの神々が存在する中で、日本全国にはその土地固有の守り神が居ると信じられているのです。

私達が土地を利用して家を建てたり、会社や事務所、工場などを建てたりする時には必ず地鎮祭を行って土地の神の許しを得てから利用することになり、土地の神の御札を丁寧にお祀りして毎日礼拝します。

弘法大師空海開祖の高野山では伽藍を見守るように高野明神と言われる明神様がお祀りされています。

高野山の地主神である丹生都比売命(にうつひめのみこと)と高野明神(狩場明神)、十二王子、百二十伴神を祀る神社で、弘法大師が高野山を開創する場所を二匹の犬と共に案内した狩場明神は今でも伝説として語られていて、高野山では如何に土地の神を大切にしているかが分かる神社で、高野山で加行を行う者は必ず修行中に参拝する大切な神社です。

一般家庭の神棚にも産土神を祀るようになっていることが多いです。

家の守り神

鬼瓦

家の屋根瓦の一番高い所には鬼瓦が乗っていて鬼は外敵に対して睨みを利かせ、家の中を守るという役割を果たしています。

鬼は家の御先祖が昇格したものであり、神となって家の一番高い所で家を守るので、鬼瓦の守護のおかげで外からの外敵を防ぎ、安心して家の中で暮らすことが出来るのです。

家族の守り神

家族健康のイラスト

家族を守る神は毎年正月にやってくる歳神と、妃の吉祥天と子の善膩師童子を伴った毘沙門天が有名です。

歳神

歳神様

人々に幸せを授けるとされる福の神は、特定の時期に一軒一軒の家を廻って福を配り、その家の一年間の無病息災家内安全を授けるという実に有難い神であり、来訪神とも言われ鹿児島県薩摩川内市甑島のトシドン、秋田県男鹿市のナマハゲ、鹿児島県十島村悪石島のボゼなど10件の「来訪神」がユネスコの無形文化遺産に登録されています。

来訪神の中でも新しい年を祝い家族が集う正月にやってくる神は歳神(としがみ)と言われます。

お盆や節分、旧正月などにやってくる来訪神の中でも歳神は毎年正月に家にやってくる来訪神であり、地方によってお歳徳(とんど)さん、正月様、恵方神、大年神、大歳神、年殿、トシドン、年爺さん、若年さんなどと呼ばれます。

七福神も正月に家々を訪れる来訪神であり、七人揃って賑やかに様々な福を届けます。

毘沙門天

家族神のイラスト

毘沙門天は妃の吉祥天女、子の善膩師童子と共に家族を形成しているので、仏教では諸仏、諸菩薩、諸天など無数の仏がいるような中でも家族の神様というのは、とても珍しい存在なのです。

毘沙門天は天の世界にありながらも人の世界と同じ家族の姿を取ることによって私達に家族の尊さ、幸せの在り方を説き、鎧兜に身を包んで外敵を防ぎ、家族を守る神なのです。