パンの詰め放題

パンの詰め放題

朝のテレビ番組で今「パンの詰め放題」に大行列が出来て話題になっているとして紹介されたスーパーでは、参加費450円で袋にパンが詰め放題だそうです。

パンの値段が上がり、世界的な食糧危機が始まっているのに、こんなお得な企画アリ!?

たくさん詰める秘訣は

レジ袋にパンをたくさん詰めるための秘訣は「袋を伸ばすこと」なるほど皆さん一つでもパンを多くゲットするために一生懸命に袋を伸ばしていますが、こういうことは毎度おなじみの聞き飽きた得々情報ですが、注目すべきは袋からはみ出しても、あごで押さえてもOKということで、袋からはみ出したパンを両手とあごで必死に押さえつけてパンをゲットする様は欲望丸出しの世界でしたが、皆さん生活が懸かっているのですから、綺麗ごとを言ってられないのです。

番組では450円の参加費で30個ゲットした人を紹介していましたが、パンが1個15円で手に入るとしたら行列が出来るのは納得です。

訳アリ詰め放題の理由

しかしこの詰め放題は訳アリ品としてのパンを使っているそうです。

千葉県流山市にあるパン製造会社では、学校や病院などから大量に発注を請けていて、1日あたりの製造数は8万個もあるそうです。

8万個のパンの製造工程では、大きさや見た目が違うなどで通常の出荷が出来ない食品ロスが当然出る訳で、それらのロスは「ゴミ」として有料で処分しているとのこと。

お金を払ってゴミとして捨てるよりは「訳アリ品」として安価に利用してもらった方が無駄がなく、結果としてエコになるという考えです。

企業としても無駄を無くしながら利益を上げ、尚且つ客に喜んでもらうのですから、とても有難い企画なのです。

何処にでもある詰め放題企画

玉ねぎの詰め放題、ジャガイモの詰め放題などはスーパーではよくある企画で、詰め放題自体は特別に珍しいものではありませんが、パンの詰め放題でマスコミが取り上げた理由として「ウクライナ侵略の影響で世界的に小麦が不足して値段が上がっている」のに、そんな企画あり得ない、という意味での抜群の注目度という効果を狙ったのかもしれません。

おそらく皆さんもこんな時期に、そんなことあり得ない、というビックリ企画は絶対に見てみようと思ったはずです。

真の豊かさとは

買占め餓鬼

昭和の時代から平成、令和と、私達は平和で豊かな生活をするために大量生産・大量消費の経済社会を作り上げ、たとえ捨てるような無駄があったにしても必要悪として、社会全体の豊かさを維持していくことを優先してきました。

特に平成は戦争の無い時代として、多くの人が平和を満喫しながらもある程度の豊かさを実感出来たのです。

しかしながら今の日本は人口は減り続け、少子高齢化は進むばかりですから、今までと同じ考え方ではいけません、豊かさの基準を見直す必要があるのです。

真の豊かさとは物がたくさん溢れている豊かさではなくて、心が豊かであることです。

物がたくさん溢れていることを喜んでいる間は「お腹いっぱい」という満足感が一時的に得られますが、またすぐにお腹が空きます。

心が豊かな人は物がたくさん溢れている状態を喜びませんし、物を大切にし、少しの物で足ることを知っていて、「小欲知足」と言います。

詰め放題のパンは日本中で捨てられているパンのごく一部であり、学校給食や病院では食べることなく或いは残されて捨てられているパンなどは実はもっと多いのです。

こういったことも考えなければいけません。

私は出された食事は絶対に残さないという信念がありますので、食べることが出来る分のみ食卓に出してもらいます。

食べ物を粗末にしたり捨てたりしたら罰が当たると思っているのです。

そういう意味ではパンの詰め放題のシーンに違和感を感じてしまいました。

食べ物を食べることが出来なくて死んでいくような人達がたくさんいる世界と私達の世界は別、ということで済ませて良いのだろうかという罪悪感です。

我が国で今、国を挙げて取り組んでいる「SDGs」は「Sustainable Development Goals 」の略で、世界を変えるための17の目標のことで、「貧困をなくそう」「 飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」などの目標が掲げられていますが、こういった実態を放置したままでは、中身のない形だけの実践目標になりかねません。

今年は特に五黄の寅年で激動の年ですが、周囲の状況に振り回されることなく、心の内面を豊かにすることで乗り越えていきましょう。