人間関係とは
人は社会的動物と言われているように、多くの人と接して協調しながら社会を形成していますが、協調とは他の人と合わせる事であり、協調性のある人は多くの人から慕われて信頼を得ますが、協調性の無い人は人に合わせることがストレスとなり、孤立したり病気になったりします。
家庭に於いては夫婦や家族の人間関係があり、職場に於いても地域に於いても様々な人間関係があります。
裏切り
誰もが自分の利益を優先するあまり、自分の利益を守ることは大切な事ですが、欲望の誘惑に負けて他人の利益まで奪い取ろうとすることが裏切りという事態に発展します。
裏切られた人は裏切った人を決して許すことはないでしょうし、ひどい仕打ちを受けた人なら仕返しをしようと真剣に思うはずです。
仏教の十善戒は仏教に於ける十悪を否定する形にした戒律のことで、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見の十の戒律がありますが、その全てが裏切りから発展して十悪につながったり、十悪を犯した結果としての裏切りにつながりますので、裏切りという行為は悪行ということになります。
裏切りの行為は相手の心を傷つけて消えることなく、相手を信頼できずに心が荒んでしまうことから、自分が人を裏切るだけではなくて、人からも裏切られ、延々と裏切ったり裏切られたりを繰り返してしまいます。
仏教では阿修羅、餓鬼、地獄の世界が裏切りの繰り広げられる世界となります。
信頼
私達が安心して暮らしていけるためには家族や地域、職場での信頼関係が必要で、信頼とはお互いのことを疑うことなく信じて、相手を頼り必要とすることです。
特に家族の中では一人一人にそれぞれの役割があって必要とされ、隠し事なく何でも話せる関係であることが信頼の証です。
家族の中でお互いに信頼関係があれば、そこに居るだけで心が安らいで心がリラックスできるのですから、家庭が一番安心出来る場所になるのです。
一旦家から出て外の世界に行けば、今時は物騒な世の中ですから事故や犯罪に巻き込まれるかもしれないですし、会社の中でも足を引っ張ったり引っ張られたりの蹴飛ばし合いの厳しい社会ですから、本当に心の底から信頼出来るような人は中々居ないものです。
仏教では天界と浄土の世界がお互いに全く疑うことなく信頼することが当たり前の安心世界です。
家庭が基本
学校や仕事で人間関係に疲れて帰る場所は家庭です。
外の世界では騙したり騙されたり、裏切ったり裏切られたりすることも世渡りのためには必要だと諭されて心が傷付いて穢れてしまっても、やはり帰る場所は家庭なのですから、せめて家庭の中ではお互いに信頼出来るように心掛けましょう。
お互いに信頼出来るためには、嘘をつかないこと、そして何でも話をすること、相手の意見を尊重することです。
自分の気持ちを正直に話をしても、頭ごなしに否定されたり認めてくれなかったりしますと、もうそれ以上話をしようという気持ちが失せてしまいます。
毘沙門天が天部にあっても妃の吉祥天と子の善膩師童子と共に家族の姿をしているのは、私達人間に対して家族の幸せの姿を示しているのであって、毘沙門天が父として外敵から家庭を守り、吉祥天が笑顔で家の中を守っているからこそ、子の善膩師童子が安心して学び育つことが出来るのです。
人間関係に疲れたら
現代人は人間関係に疲れ果ててストレスがたまり、精神が病んでいることが多く、ちょっとしたことで逆上したり、人と会いたくないと家に閉じこもってしまう人が増えています。
人間関係に疲れ果てていて会社を辞めたいけれど、今辞めたら家族が路頭に迷うことになってしまう…
ある程度の立場にあるから誰にも相談出来ない…
我慢するしかないけれどもう限界である…
我慢ばかりしていたら何時か爆発してしまいます。
人間関係に疲れてしまったら現状から離れてみることが大切で、たとえ短時間でも構いませんので離れてみましょう。
離れるとは頭の中から悩んでいることと悩んでいる原因を捨て去ることです。
案外プライドや執着が原因で行き詰っていることが多く、自分の優位な立場を取られたくない、自分を邪魔する者が憎いなどの邪念が頭の中を支配いるとしたら、そういった邪念を捨ててみるのです。
気分転換に何処かに出かけても良いですし、寺院巡りや霊場巡りは神仏の加護が得られます。
ペットとのコミュニケーションも癒されますが、ペットに癒されるのはペットが人を裏切るようなことをしないからです。
何はともあれ信頼できない人のことは一切気にすることなく、自分が人を信頼することを実践していれば、何時の間にか信頼出来る人の輪が出来上がります。
本当に信頼出来る人が何人居ますでしょうか、本当に信頼出来る人、絶対に裏切ることの無い人は宝物です。
神仏や御先祖は裏切ることがありませんので、裏切ることの無い世界で生きていくことを心掛けましょう。
