勢至菩薩とは
勢至菩薩は阿弥陀三尊の左の観音菩薩と共に右脇侍として極楽浄土の来迎図に描かれます。
勢至菩薩の由来
梵名をマハースターマプラープタ (महास्थामप्राप्त [mahāsthāmaprāpta])と言い、観無量寿経には「知恵を持って遍く一切を照らし、三途を離れしめて、無上の力を得せしむ故、大勢至と名づく」とあり、大いなる智慧を持って広く世界中を照らし、迷いと苦しみと戦いの世界から離れて、亡き人を仏道に救い入れ、悟りの世界に導くのがその任務なのです。
勢至菩薩の功徳
勢至菩薩だけで信仰されることは少ないですが、阿弥陀如来の極楽浄土に観音菩薩と共に死者を迎えに来る来迎の姿として定着していて、信仰すれば極楽浄土に連れて行ってくれるのです。
勢至菩薩の姿
勢至菩薩と観音菩薩の姿はほぼ同じですが、観音菩薩が宝冠の正面に化仏を付けているのに対して、勢至菩薩は水瓶を付けています。
来迎の阿弥陀三尊の場合には観音菩薩が往生する人を乗せるための蓮台を持っているのに対して、勢至菩薩は合掌する姿で往生する人を迎えます。
勢至菩薩信仰
観音菩薩は仏像だけでなく、彫刻の彫り物としてもよく見かけ、霊園の合葬墓などにお祀りされているのに対して勢至菩薩の仏像はあまり見かけませんが、観音菩薩と同じ役割を担っているのです。
勢至菩薩の力とは
勢至菩薩は観音菩薩と同じく阿弥陀如来を筆頭にして、死者を救済して極楽浄土へと導くような慈悲に満ちた静かなる活動をされていますが、勢至菩薩はその名の由来からも大いなる力を持って悟りの世界へと引き入れる役割を持っておられます。
十三仏として
十三仏とは人の死後33年間までを案内する仏のことで、死後の世界の裁判官として中国で古来より信仰されていた十王の思想が発展したと言われています。
勢至菩薩は人の死後一年目である一周忌から先を案内する仏になります。
- [十三仏] [裁判官] [法事] [命日から]
- 不動明王 秦広王(しんこうおう) 初七日 7日目、6日後
- 釈迦如来 初江王(しょこうおう) 二七日 14日目、13日後
- 文殊菩薩 宋帝王(そうていおう) 三七日 21日目、20日後
- 普賢菩薩 五官王( ごかんおう) 四七日 28日目、27日後
- 地蔵菩薩 閻魔王 (えんまおう) 五七日 35日目、34日後
- 弥勒菩薩 変成王 (へんじょうおう) 六七日 42日目、41日後
- 薬師如来 泰山王( たいざんおう) 七七日 49日目、48日後
- 観音菩薩 平等王 (びょうどうおう) 百か日 100日目、99日後
- 勢至菩薩 都市王 (としおう) 一周忌 2年目、1年後
- 阿弥陀如来 五道転輪王(ごどうてんりん) 三回忌 3年目、2年後
- 阿閦如来 蓮華王 (れんげおう) 七回忌 7年目、6年後
- 大日如来 祇園王 (ぎおんおう) 十三回忌 13年目、12年後
- 虚空蔵菩薩 法界王( ほうかいおう) 三十三回忌 33年目、32年後
勢至菩薩の真言
勢至菩薩の真言は
- おんさんざんさくそわか
- おんさんざんざんさくそわか
勢至菩薩の真言は
おんさんざんさくそわか
おんさんざんざんさくそわか
なぜふたつあるのですか?
コメント有難う御座います。どちらも正解で御座います、何のための真言マントラかと言えば唱えてその仏の境地に近づくことですから、たくさん唱えてみればいずれ分かると思います。人によって感じ方が違うのではと思います。